設計・開発手法を整える
専門アローダイアグラムを整える。
= 工程表からクリティカルパスと最短日数を、触って計算
アローダイアグラムが初めての方は、先に そもそもアローダイアグラムとは・どんな場面で使うか をどうぞ。
① プロジェクトの工程を入れる
プリセットを選び、各作業の所要日数を書き換えると、下のアロー図・最短日数・余裕(フロート)表がその場で再計算されます。
プリセット
要件定義から公開まで。デザインと実装を並行させ、テストで合流する典型パターン。
各作業の所要日数
点線の「ダミー作業」は所要0日固定のため、編集欄には出しません(詳しくは④で解説)。
② アロー図とクリティカルパス
丸が結合点(作業の区切りの瞬間)、矢印が作業です。赤い矢印=クリティカルパス(余裕ゼロ)。丸の下の小さな数字は「最早結合点時刻/最遅結合点時刻」で、2つの数字が一致する結合点はクリティカルパス上にあります。
プロジェクト全体の最短完了日数
28日
クリティカルパス(赤い経路)
クリティカルパス: ① → ② → ③ → ⑤ → ⑥ → ⑦(要件定義→設計→実装→テスト→公開)。ここが1日延びると、プロジェクト全体も1日延びます。
③ 各作業の余裕(トータルフロート)
トータルフロート(TF)=「この作業を何日遅らせても、プロジェクト全体には影響しないか」。0日の作業がクリティカルパスです。
| 作業 | 結合点 | 所要日数 | 最遅終了(LF) | 余裕(TF) | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 要件定義 | ①→② | 5 | 5 | 0日 | 🔴 クリティカル |
| 設計 | ②→③ | 7 | 12 | 0日 | 🔴 クリティカル |
| デザイン | ③→④ | 6 | 22 | 4日 | 余裕あり |
| 実装 | ③→⑤ | 10 | 22 | 0日 | 🔴 クリティカル |
| ダミー(点線) | ④→⑤ | 0 | 22 | 4日 | 余裕あり |
| テスト | ⑤→⑥ | 4 | 26 | 0日 | 🔴 クリティカル |
| 公開 | ⑥→⑦ | 2 | 28 | 0日 | 🔴 クリティカル |
ES=最早開始 / EF=最早終了 / LS=最遅開始 / LF=最遅終了 / TF=トータルフロート(余裕日数)。
そもそもアローダイアグラムとは
作業の順番と日数を矢印でつなぎ、遅らせられない道筋を見つける図。
アローダイアグラム(PERT 図)は、プロジェクトの作業を矢印、作業の区切りを丸(結合点)で表し、順番と所要日数を描く図です。全体の最短日数と、クリティカルパス(1日も遅らせられない経路)を見つけるために使います。
身近なたとえでは、引っ越しの段取りです。荷造りと業者の手配は同時に進められますが、搬出は両方が終わってからです。同時にできる作業と、待たなければならない作業を区別すると、どこが遅れると全体が遅れるのかが見えます。ガントチャートが日程を横棒で見せるのに対し、こちらは作業の前後関係に重きを置きます。
どこで・どんな場面で使うか
-
システム開発のスケジュール作成
設計・実装・テストのように前後関係のある作業を並べ、全体で何日かかるかを求めます。
-
プロジェクト管理で遅れを見るとき
遅れた作業がクリティカルパス上かどうかで、全体への影響が大きく変わります。
-
要員の配置の判断
余裕(フロート)のある作業から人を回すなど、どこに人を足すべきかの手がかりになります。
-
SES・受託の工程表の説明
顧客に「なぜこの作業は遅らせられないのか」を、図で説明できます。
-
ITパスポート・基本情報・プロジェクトマネージャ
最短日数やクリティカルパスを求める計算問題が、プロジェクトマネジメント分野で出題されます。
知らないと何が困るか
- どの遅れが致命的か判断できない。余裕のある作業の遅れと、全体を遅らせる遅れを、同じ重さで扱ってしまいます。
- 急ぐ場所を間違える。クリティカルパス以外の作業を急いでも、全体の日数は短くなりません。
- 試験の計算問題で手が止まる。前進計算と後退計算の考え方を知っていれば、決まった手順で解けます。
上のツールで作業の日数を書き換えて、クリティカルパスが変わる様子を試してみてください。
④ ダミー作業とは
アロー図には、所要0日で「順序の制約だけ」を表す点線の矢印が登場することがあります。実際の作業ではありません。
図の ④→⑤ にある点線の矢印がダミー作業です。所要日数は常に0日で、実際に誰かが何かをする作業ではありません。 「デザイン」と「実装」はどちらも③から並行して始まりますが、両方が終わってから「テスト」に進む必要があります。もし2つの作業を同じ結合点(⑤)にそのまま引いてしまうと「③→⑤」の矢印が2本並ぶことになり、どちらがどの作業か区別できなくなってしまいます。そこでデザインの終わりを④として分け、④→⑤に所要0日の点線(ダミー)を引くことで、「テストは実装だけでなくデザインの完了も待つ」という順序関係だけを、実体のない矢印として表しています。 このダミーのトータルフロートは4日です。
⑤ かんたん / くわしく
ふだんは③④の結果だけ見れば十分です。計算の途中式まで追いたいときは、下を開いてください。
くわしく見る — 最早/最遅結合点時刻の計算過程
① 前進計算(最早結合点時刻・左から右へ)
- ①の最早結合点時刻 = 0(起点)
- ②の最早結合点時刻 = ①(0) + 要件定義(5日) = 5
- ③の最早結合点時刻 = ②(5) + 設計(7日) = 12
- ④の最早結合点時刻 = ③(12) + デザイン(6日) = 18
- ⑤の最早結合点時刻 = max( ③(12)+実装(10日)=22 , ④(18)+ダミー(0日)=18 ) = 22
- ⑥の最早結合点時刻 = ⑤(22) + テスト(4日) = 26
- ⑦の最早結合点時刻 = ⑥(26) + 公開(2日) = 28
② 後退計算(最遅結合点時刻・右から左へ)
- ⑦の最遅結合点時刻 = 28(プロジェクト完了日数と同じ)
- ⑥の最遅結合点時刻 = ⑦(28) − 公開(2日) = 26
- ⑤の最遅結合点時刻 = ⑥(26) − テスト(4日) = 22
- ④の最遅結合点時刻 = ⑤(22) − ダミー(0日) = 22
- ③の最遅結合点時刻 = min( ④(22)−デザイン(6日)=16 , ⑤(22)−実装(10日)=12 ) = 12
- ②の最遅結合点時刻 = ③(12) − 設計(7日) = 5
- ①の最遅結合点時刻 = ②(5) − 要件定義(5日) = 0
ありがちな失敗・3つ
- 1
フロートのある作業を急いでも、全体は早まらない
「デザイン」に余裕(フロート)が4日あるからといって、2日で終わらせても公開日は1日も早まりません。全体の完成日を早めたいなら、フロートが0の作業=クリティカルパス上の作業を短縮する必要があります。
- 2
ダミー作業を「何かする矢印」だと誤解する
点線のダミー作業は所要0日で、実際に誰かが作業するわけではありません。「順序の制約だけを伝える記号」であり、日数計算には常に0日として扱われます。
- 3
クリティカルパスは必ず1本とは限らない
複数の経路の所要日数がぴったり同じになると、クリティカルパスは同時に2本以上になります(試しに「デザイン」を6日→10日に変えてみてください)。その場合はどちらの経路も1日たりとも遅らせられません。
📘 ITパスポート/基本情報の「マネジメント系・プロジェクトマネジメント」で頻出のテーマです。実務のPERT図は数十〜数百の作業を扱いますが、考え方は本ページの前進計算・後退計算とまったく同じです。
🔒 プリセットの選択や日数の入力は、すべてこの端末(ブラウザ)内の計算だけで完結します。サーバーへの送信は一切ありません(送信ゼロ)。
このツールについて
工程表(作業と所要日数)を入れると、アローダイアグラム(PERT図)が自動で描かれ、前進計算・後退計算からクリティカルパス(1日も遅らせられない経路)が赤く光ります。作業ごとの余裕(トータルフロート)も一覧表示。所要0日の『ダミー作業』の意味まで、手を動かしながら整理できます。入力はこの端末から一切出ません(送信ゼロ)。
工程(作業と日数)を入れるとアロー図が自動描画され、前進・後退計算でクリティカルパスが赤く光る。最短完了日数と作業ごとの余裕(トータルフロート)も一覧表示、ダミー作業の意味まで解説。
🔰 かんたんに言うと
工程表からクリティカルパス(最も余裕のない経路)と最短完了日数を、触って計算できます。
主な機能
- プリセット2種(Webサイト制作/業務システム開発)で各作業の所要日数を編集可能
- 前進計算・後退計算でクリティカルパス(余裕ゼロの経路)を赤くハイライト
- プロジェクト全体の最短完了日数を自動算出
- 作業ごとのES/EF/LS/LF・トータルフロート(余裕日数)を一覧表示
- 所要0日のダミー作業の意味を図と文章で解説
- かんたん/くわしくの切替で最早/最遅結合点時刻の計算過程を段階表示・すべてブラウザ内で送信ゼロ
よくある質問
Q. アローダイアグラム(PERT図)とは何ですか?
A. プロジェクトの作業を矢印、作業の区切りとなる瞬間(結合点)を丸で表したネットワーク図です。作業同士の前後関係と所要日数を一目で把握でき、プロジェクト全体の最短完了日数やクリティカルパスを求める土台になります。
Q. クリティカルパスとは何ですか?
A. 余裕(トータルフロート)が0日、つまり1日も遅らせられない作業だけを結んだ、始点から終点までの経路です。ここに含まれる作業が1日遅れると、プロジェクト全体の完了も同じだけ遅れます。
Q. 最早結合点時刻と最遅結合点時刻の違いは?
A. 最早結合点時刻(EET)は、その結合点に「最も早くたどり着ける時刻」で、前進計算(開始→終点)で求めます。最遅結合点時刻(LET)は「これ以上遅れると全体が遅れてしまう限界の時刻」で、後退計算(終点→開始)で求めます。
Q. トータルフロート(余裕)とは何ですか?
A. その作業を何日遅らせても、プロジェクト全体の完了日数に影響しないかを表す日数です。最遅終了時刻から最早終了時刻を引いて求め、0日の作業がクリティカルパス上にあります。
Q. ダミー作業とは何ですか?
A. 所要日数が常に0日で、実際には誰も作業しない「順序の制約だけ」を表す点線の矢印です。複数の作業が同じ始点・終点を共有してしまうのを避けつつ、『この作業が終わるまで次に進めない』という関係だけを表現するために使います。
Q. ガントチャートとの違いは何ですか?
A. ガントチャートは横軸に時間を取り、各作業がいつからいつまでかかるかを棒で示す進捗管理向けの図です。アローダイアグラムは作業同士の前後関係(依存関係)を明確にし、クリティカルパスや余裕日数を計算することに向いています。実務では両方を使い分けます。
Q. 入力した工程データはどこかに送信されますか?
A. されません。プリセットの選択や日数の編集、クリティカルパスの計算はすべてこの端末のブラウザ内(純JavaScript)で完結します(送信ゼロ)。
入力値はURLの「#」以降に入るためサーバーには送信されません。リンクを開くと同じ状態を復元します。
続けて整える
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