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「5寸勾配」は何度?──屋根やスロープの勾配と角度(度・%・1:n)を行き来する

屋根の「◯寸勾配」、道路標識の「10%」、バリアフリースロープの「1:12」。同じ傾きを違う言葉で言っているだけです。寸勾配・パーセント・1:n・角度(°)の関係を一枚の早見表で整理し、相互変換のやり方まで解説します。

屋根屋さんの見積りに「5寸勾配」と書いてある。坂道の標識には「10%」。バリアフリーの基準書には「1:12」。建築士は「勾配 26.57°」と言う。

結局、5寸勾配って何度なの?」「1:12のスロープって急なの?緩いの?」と混乱したことがある方に向けて、整理します。

結論を先に書きます。

これらは全部、同じ「傾き」を違う言葉で言っているだけです。基準になるのは1つ、「水平に進んだ距離」に対して「どれだけ上がるか」の比。そして 5寸勾配 = 1:2 = 50% = 約26.57° です。


まず「勾配」の正体は1つの比

勾配とは、水平距離に対する高さの割合のことです。表現方法が4つあるだけで、中身は同じです。

  • 寸勾配(◯寸)…屋根で使う。水平10寸に対して垂直が何寸上がるか
  • パーセント(%)…道路標識で使う。水平100進んで何上がるか
  • 1:n 表記…スロープ・バリアフリーで使う。垂直1に対して水平がn
  • 角度(°)…設計図・計算で使う。水平線からの傾き

すべて「垂直 ÷ 水平」という同じ計算から出てきます。この比を tan(タンジェント) と呼び、角度に直すときは arctan(逆正接) を使います。

角度 = arctan(垂直 ÷ 水平)


寸勾配・%・1:n・角度の早見表

代表的な傾きを、4つの表現で一覧にします。寸勾配の角度はすべて arctan による計算値です(割り切れない値が多いので「約」が付きます)。

寸勾配比(垂直÷水平)パーセント1:n 表記角度(°)
1寸1/10 = 0.1010%1:10約 5.71°
2寸2/10 = 0.2020%1:5約 11.31°
3寸3/10 = 0.3030%1:3.33約 16.70°
4寸4/10 = 0.4040%1:2.5約 21.80°
5寸5/10 = 0.5050%1:2約 26.57°
6寸6/10 = 0.6060%1:1.67約 30.96°
7寸7/10 = 0.7070%1:1.43約 34.99°
8寸8/10 = 0.8080%1:1.25約 38.66°
10寸(矩勾配)10/10 = 1.00100%1:145.00°

ポイントは2つ。

  • % は「比 × 100」だけ。5寸=0.5なので 50%。ここは直感どおり。
  • 角度はパーセントと比例しない。50%は45°の「半分」ではなく 26.57°。傾きが大きくなるほど角度の伸びが鈍くなるので、ここを勘違いすると痛い目を見ます。

「矩勾配(かねこうばい)」=45°だけは覚えておく

屋根の世界で 10寸勾配矩勾配(かねこうばい) と呼びます。水平10:垂直10、つまり 1:1 = 100% = ちょうど45°。これだけは計算なしで言える、いちばんの基準点です。

感覚としてはこう整理できます。

  • 3〜4寸(約16.7〜21.8°)…緩勾配。一般的な住宅で多い。雨は流れるが屋根に上がっても比較的安全
  • 5〜6寸(約26.6〜31.0°)…標準〜やや急。和風住宅や寒冷地で雪を落としたいとき
  • 6寸以上(31°〜)…急勾配。デザイン性や積雪対策。足場なしでは登れない

道路で言えば、急な峠道でも10%(約5.71°)前後。標識の「10%」を見て「たった5.7度か」と思うかもしれませんが、車にとっては立派な急坂です。傾きの体感は角度の数字以上にきつい、と覚えておくと良いです。


バリアフリーのスロープ基準(1:12など)

人が通るスロープでは「角度」より 1:n 表記 が主役になります。代表的な基準を挙げます。

用途基準パーセント角度(°)
車いす用スロープ(屋内・標準)1:12約 8.3%約 4.76°
屋外スロープ(より緩く)1:15約 6.7%約 3.81°
ゆるやかに推奨1:205.0%約 2.86°

1:12 は「水平12進んで1上がる」という意味で、車いす用スロープの世界的な代表値です。角度にすると 約4.76° で、屋根の1寸勾配(約5.71°)よりもさらに緩い。「思ったより寝かせるんだな」と感じる人が多い傾きです。

たとえば 高さ60cm の段差を 1:12 で解消するなら、必要な水平距離は 60cm × 12 = 720cm(7.2m)。さらに途中に踊り場が要る場合もあります。「段差解消マット」を選ぶときも、この比から逆算すると失敗しません。

道路標識の「10%」も同じ理屈で、水平100m進むと10m上がるという意味です(角度なら約5.71°)。パーセントは「100あたり」、1:nは「1あたり」を基準にしているだけで、向きが逆なだけだと分かれば混乱しません。


自分の勾配を変換する

手元の数字を別の表現に変えたいとき、計算自体はシンプルです。

  • 寸 → 角度arctan(寸 ÷ 10)。例)5寸 → arctan(0.5) = 約26.57°
  • % → 角度arctan(% ÷ 100)。例)50% → arctan(0.5) = 約26.57°
  • 1:n → 角度arctan(1 ÷ n)。例)1:12 → arctan(0.0833) = 約4.76°
  • 角度 → %tan(角度) × 100。例)26.57° → 約50%

ただ、arctantan を電卓で叩くのは地味に面倒で、度とラジアンの取り違えでミスも起きがちです。そこは 角度を整える に数値を入れれば、度・ラジアン・勾配(%・tan値)を一度に相互変換してくれます。「5寸=何度?」も「1:12=何%?」も、入力して読むだけです。

また、現場で 「高さ÷水平距離」を実測してから比を出したいときは、長さの単位(mm・cm・m・尺・寸など)を揃える必要があります。単位が混ざっていると比を間違えるので、まず 長さの単位を整える でcmなりmmなりに統一してから割り算するのが確実です。


関連ツールとのシナジー

  • 度・ラジアン・勾配(%・tan)の相互変換は → 角度を整える
  • 実測した高さ・水平距離の単位(mm/cm/m/尺/寸)を揃えるなら → 長さの単位を整える
  • 「5寸=何度?」も「1:12=何%?」も、まず角度ツールに入れて読むのが最短です

まとめ

  • 勾配・%・1:n・角度は、同じ傾きの言い換え。基準は「垂直 ÷ 水平」
  • 5寸勾配 = 1:2 = 50% = 約26.57°(arctanによる計算値)
  • 10寸=矩勾配=1:1=100%=ちょうど45°。これが暗算の基準点
  • % は「比×100」で直感的。だが角度は比例しない(50%は45°の半分ではない)
  • バリアフリーの 車いす用スロープは1:12(約8.3%・約4.76°) が代表値。屋外は1:15、ゆるやかに1:20
  • 道路標識の「10%」は「水平100で10上がる」=約5.71°
  • 変換は 角度を整える、実測した長さの単位そろえは 長さの単位を整える が早い

◯寸」「◯%」「1:n」「◯°」を自由に行き来できるようになると、屋根の見積りもスロープの設計も、感覚ではなく数字で判断できます。

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