時給1,500円は年収いくら?──時給・月給・年収を同じ物差しで見くらべる
時給1,500円を月給・年収に換算するといくらか。月の労働時間を160時間と見るか173時間と見るかで結果が変わること、そしてこれらはすべて『額面』で手取りとは別物であることを、早見表つきで整理します。
求人サイトで「時給1,500円」と「年収300万円」が並んでいると、どちらが得なのか一瞬で比べられない。時給・月給・年収は、同じお金を別の単位で言い換えているだけなのに、物差しが違うせいで直感が効かなくなります。
「時給1,500円って、結局のところ年収いくらなの?」と思った方に向けて、換算のしかたを整理します。
結論を先に書きます。
時給1,500円は、月160時間働けば月給24万円・年収288万円。フルタイム(月約173時間)なら月給約26万円・年収約312万円。ただしこれらは全部「額面」で、手取りはここから約2割引かれます。
時給→年収の計算式は、たった1本
時給から年収を出す式は、覚えてしまえば暗算できます。
年収 = 時給 × 月の労働時間 × 12ヶ月
時給1,500円・月160時間で当てはめると、
- 月給:1,500円 × 160時間 = 24万円
- 年収:24万円 × 12ヶ月 = 288万円
これだけです。逆に「年収から時給を知りたい」ときは、この式を逆算するだけ。時給⇄月給⇄年収を整える なら、どの単位を入れても残り2つが同時に出ます。
「月160時間」は丸めた目安。本当は173時間
ここで一番のワナが「月の労働時間を何時間と置くか」です。
求人票の「月収◯万円」は、たいてい 月160時間 という、きりのいい数字で計算されています。でも、フルタイム(1日8時間 × 週5日)を厳密に計算すると、
1日8時間 × 週5日 × 52週 ÷ 12ヶ月 = 月約173.3時間
と、160時間より13時間ほど多くなります。週休2日でも、月によって出勤日数が違うため、ならすと173時間に落ち着くわけです。
この差は年収に効きます。
| 月の労働時間 | 月給(時給1,500円) | 年収 |
|---|---|---|
| 160時間(求人の目安) | 24.0万円 | 288万円 |
| 173時間(フルタイム実態) | 約26.0万円 | 約312万円 |
同じ時給1,500円でも、前提の置き方で年収が24万円も変わる。「時給◯円=年収◯万円」という早見表を見るときは、必ず「月何時間で計算しているか」を確認してください。
時給→月給→年収の早見表
代表的な時給を、月160時間で換算した早見表です(すべて額面)。
| 時給 | 月給(160h) | 年収(160h) | 参考:年収(173h) |
|---|---|---|---|
| 1,000円 | 16.0万円 | 192万円 | 約208万円 |
| 1,200円 | 19.2万円 | 230万円 | 約249万円 |
| 1,500円 | 24.0万円 | 288万円 | 約312万円 |
| 1,800円 | 28.8万円 | 346万円 | 約374万円 |
| 2,000円 | 32.0万円 | 384万円 | 約416万円 |
| 2,500円 | 40.0万円 | 480万円 | 約520万円 |
時給が500円上がると年収はおよそ96万円(160h換算)増える、という比例関係がきれいに見えます。時給交渉の「あと100円」が年に約19万円の差になる、と考えると重みが変わります。
全部「額面」。手取りは約8割
ここまでの数字は、すべて 額面(がくめん) = 社会保険料も税金も引く前の総支給額です。
実際に口座に振り込まれる「手取り」は、ここから
- 健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料(社会保険料)
- 所得税・住民税
が引かれます。ざっくり 額面の約8割 が手取りの目安です。
| 額面年収(時給1,500円・160h) | 手取りの目安(約8割) |
|---|---|
| 288万円 | 約230万円 |
| 312万円(173h) | 約250万円 |
「時給1,500円で年収288万円」と聞いて生活設計を立てると、実際に使えるのは約230万円。額面と手取りを混同しないのが、お金の判断で最初につまずかないコツです。正確な手取りは 手取り計算を整える で年収を入れれば、社会保険料・所得税・住民税の内訳まで出ます。
賞与(ボーナス)込みにしたいとき
ここまでの式は「月給 × 12ヶ月」で、賞与を含んでいません。賞与込みの年収にしたいなら、掛ける月数を増やします。
- 賞与なし:月給 × 12
- 賞与2ヶ月分:月給 × 14
- 賞与4ヶ月分:月給 × 16
時給1,500円・月160時間(月給24万円)なら、
- 12ヶ月:288万円
- 14ヶ月:336万円
- 16ヶ月:384万円
正社員の求人で「年収◯万円」とある場合、この賞与込みの月数で計算されていることが多いので、時給ベースのパート・アルバイトと単純比較すると年収が大きく見える点に注意してください。
自分の働き方で換算する
早見表は「月160時間・賞与なし」という固定の前提です。あなたの実際の働き方は、もっと細かいはずです。
- 週3日・1日6時間のパート
- 月によって出勤日数が変わるシフト勤務
- 残業ありで実働が月180時間を超える月がある
こうした「自分の数字」で換算したいときは、時給⇄月給⇄年収を整える に時給と月の労働時間を入れてください。
- 時給・月給・年収のどれを入れても、残り2つを同時に表示
- 月の労働時間を160/173/自分で指定、と切り替えて比較
- 賞与の月数も反映して「賞与込み年収」を確認
「時給1,500円のこの仕事と、月給25万円のあの仕事、どっちが上?」を同じ物差しに揃えて判断できます。
なお、パートで気になる「扶養の壁」(103万・106万・130万・178万)は、時給の換算ではなく税・社会保険の話です。こちらは手取りに直結するので、別途 手取り計算を整える で確認するのが正確です。
関連ツールとのシナジー
- 額面から本当の手取りを知るなら → 手取り計算を整える(社会保険料・税の内訳まで)
- 実働時間・残業代を正しく出すなら → 勤務時間・残業を整える(月の労働時間の根拠づくり)
- 時給・月給・年収の相互換算そのものは → 時給⇄月給⇄年収を整える
まとめ
- 換算式は 年収 = 時給 × 月の労働時間 × 12 の1本だけ
- 時給1,500円は 月160時間で年収288万円、フルタイム(月約173時間)なら 年収約312万円
- 「月160時間」は求人が丸めた目安。前提次第で年収が20万円以上変わる
- これらはすべて 額面。手取りは額面の約8割で別物
- 賞与込みにしたいなら、掛ける月数を14や16に
- 扶養の壁(103万・106万・130万・178万)は税・社保の話なので分けて考える
- 自分の働き方で換算するなら 時給⇄月給⇄年収を整える が早い
「時給で言われると小さく感じ、年収で言われると大きく感じる」のは、ただの単位のマジックです。同じ物差しに揃えてしまえば、仕事選びの比較は一気にラクになります。