totonoe

ネットワークを整える

中級

NATを整える

= 家のルーターが、家の中の住所と外の住所を変換するしくみ

家のルーターの中では「家の中だけの住所(プライベートIP)」と「インターネット上の住所(グローバルIP)」が、たえず変換されています。その行き帰りをアニメで追い、なぜ家じゅうの端末が1つのグローバルIPで通信できるのかを、図でつかめます。読むだけのページで、入力も通信もありません(送信ゼロ)。

i

TLDR — 30秒で分かる

プライベートIPとグローバルIPが、家のルーターでどう変換されるかをアニメで。ポート番号で家じゅうの端末が1つのグローバルIPに同居する仕組みが分かります。

主な機能を見る
  • 行き帰りの住所書き換え(NAPT)をアニメで可視化
  • ポート番号で複数端末を1つのIPに同居
  • なぜNATが要るか(IPv4枯渇)の背景
  • プライベートIPの3範囲(10/8・172.16/12・192.168/16)
  • ポート開放/ポート転送と二重NAT
アニメで見る — NAT(プライベートIP↔グローバルIP) ▶ 再生で1ステップずつ動きます
🏠

家のPC

プライベートIP 192.168.x

🏠 送信元 192.168.1.10:50000
✅ 192.168.1.10 に到着
📡

ルーター

NAT(住所の書き換え係)

📒 変換表(誰のポートか控える)
🌐

インターネット

グローバルIP

🌐 送信元 203.0.113.5:40001
📨 返信 → 203.0.113.5:40001

STEP 1

※ イメージ図です。1つのグローバルIPを、家じゅうの端末で「ポート番号」で住み分けているのが NAT(NAPT)の正体です。

NAPTシミュレータ(手を動かす) 操作は即時反映(送信ゼロ)

1つのグローバルIPの下に、家の端末を足してみてください。NAPTが端末ごとに外部ポートを割り当て、下の変換表(NATテーブル)に行が増えます。外部ポートを選ぶと「その返信がどの端末に戻るか」を逆引きできます。これが1つのグローバルIPで複数端末が同居できる正体です。

家全体の代表=グローバルIP(固定) 203.0.113.5 外からはこの1つの住所だけが見えます

🏠 家の端末を追加する(内側のプライベートIPと、つなぎに行く先)

変換表(NATテーブル)

行 or 外部ポートをクリックすると逆引き
🏠 内側(家の端末) 🌐 外側(割り当て) 📨 宛先

まだ端末がありません。上の「この端末を追加」か「サンプル端末を追加」を押してください。

📨 返信が来た — どの端末に戻る?(外部ポートを逆引き)

外部からの返信の宛先は、いつも 203.0.113.5:◯◯◯◯ です。ルーターは表のポート番号を見て、正しい1台に振り分けます。

(表の外側ポートをクリックしても同じです)

※ このシミュレータは仕組みを体感するためのものです。外部ポートは分かりやすく 50001 から順に割り当てています(実機はランダムなことが多い)。同じ「内側IP:ポート → 宛先」の組は1本の通信として重複登録しません。1つのグローバルIPで使える外部ポートは約6万個——それが「同時に同居できる通信」の上限です。

そもそも、なぜ変換が要るのか

IPv4の住所は足りない。だから「みんなで1つ」を分け合う。

インターネット上の住所「IPv4アドレス」は、ぜんぶで約43億個しかありません。世界の端末数からするとまったく足りず、すでに枯渇しています。スマホ・PC・テレビ…1台ずつにグローバルIPを配っていたら、とっくに底をついています。

そこで考えられたのが NAT(Network Address Translation・ネットワークアドレス変換)。家の中では自由に使える「プライベートIP」を配り、外に出るときだけ1つの「グローバルIP」に束ねて変換します。家族みんなで1つの代表電話番号を共有し、内線で部屋を分けるイメージです。

家庭用ルーターがやっているのは、正確には NAPT(IPマスカレード)。アドレスだけでなく「ポート番号」まで使って、たくさんの端末を1つのグローバルIPに同居させます。上のアニメの「部屋番号で振り分け」がこれです。

家の中だけの住所

プライベートIPの3つの範囲

この範囲のアドレスは「家の中(LAN)でだけ使ってね」と世界共通で予約されています。インターネットにはそのまま出られないので、必ずルーターのNATを通って変換されます。あなたのPCのIPがこのどれかなら、それはプライベートIPです。

範囲(CIDR) アドレスの幅
10.0.0.0/8 10.0.0.0 〜 10.255.255.255
172.16.0.0/12 172.16.0.0 〜 172.31.255.255
192.168.0.0/16 192.168.0.0 〜 192.168.255.255

「/8」「/12」「/16」がどれだけの広さを表すのか、ネットワーク部とホスト部の分け方を実際に計算したいときは ネットワークアドレスを整える で確かめられます。プライベートIPかどうかの判定もそちらでできます。

外から中へ呼びたいとき

ポート開放/ポート転送とは

NATは「中から外への通信の帰り道」を変換表で覚えています。だから普段のWeb閲覧は何もしなくても返信が届きます。ところが、外から家の中の特定の端末へ最初に呼びかけたいとき——たとえば自宅サーバやゲームのホスト、防犯カメラを外から見たいとき——は事情が違います。

ルーターには変換表に載っていない「いきなりの着信」をどの端末に渡せばいいか分かりません。そこで手動で「このポート番号宛ての通信は、家の中の 192.168.1.50 に回しなさい」と設定します。これが ポート開放(ポート転送・ポートフォワーディング)です。NAPTの「振り分けルール」を、特定のポートだけ常設しておくイメージです。

⚠ ポート開放は「家の特定の部屋を外に向けて開ける」操作です。開けた先の端末がそのまま外から触れるようになるため、必要なポートだけ・必要な期間だけに絞り、開けた端末は最新の状態に保つのが安全です。

ひとこと豆知識

「二重NAT」——変換が2回起きていることがある

プロバイダの機器(ONU一体型ルーターやモデム)と、自分で足した市販ルーターの両方でNATがかかる状態を「二重NAT」と呼びます。普通のネット利用は問題なく動きますが、ポート開放がうまく通らない・オンラインゲームのNATタイプが厳しくなる、といった不調の原因になりがちです。直したいときはどちらか一方をブリッジ(NATしない)モードにするのが定石です。

🔒 上のNAPTシミュレータも含め、計算はすべてあなたのブラウザの中(純JavaScript)で完結します。入力したIPやホスト名がサーバに送られることはありません(送信ゼロ)。

よくある質問

Q. NATとは何ですか?
A. 家の中だけで使うプライベートIPと、インターネット上のグローバルIPを相互に変換する仕組みです。家庭用ルーターが標準で行っており、1つのグローバルIPを家じゅうの端末で共有できるようにします。
Q. なぜNATが必要なのですか?
A. IPv4アドレスは約43億個しかなくすでに枯渇しているためです。全端末に配るのは不可能なので、外向きには1つのグローバルIPに束ね、家の中ではプライベートIPを自由に使い回します。
Q. 1つのIPで複数の端末が同時に通信できるのはなぜ?
A. ルーターが「ポート番号」まで使って各端末を区別しているからです(NAPT)。返信が来たときポート番号を見れば、どの端末宛てか振り分けられます。
Q. プライベートIPの範囲は?
A. 10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16 の3つです。これらは世界共通で家庭・社内向けに予約されており、そのままではインターネットに出られません。
Q. ポート開放(ポート転送)とは何ですか?
A. 外から家の中の特定端末へ最初に呼びかけたいとき(自宅サーバ・ゲームのホスト等)に、特定ポート宛ての通信を指定端末へ回すようルーターに常設するルールです。
Q. 二重NATとは何ですか?
A. プロバイダ機器と市販ルーターの両方でNATがかかる状態です。普通の利用は問題ありませんが、ポート開放が通りにくくなることがあり、片方をブリッジモードにすると解消します。
Q. 入力した情報は送信されますか?
A. されません。このページは読んで仕組みをつかむ解説で、入力欄も外部通信もありません(送信ゼロ)。

入力値はURLの「#」以降に入るためサーバーには送信されません。リンクを開くと同じ状態を復元します。

RELATED TOOLS

続けて整える

KOINOBORI ECOSYSTEM

私たちが運営するサイト