ネットワークを整える
初級TCP/UDP を整える。
= データの運び方の二大ルール「TCP」と「UDP」を図解
ネットワークのどこの話? 通信する両端の機器(パソコンとサーバーなど)の間の話です。途中のルータやスイッチは、TCP や UDP の中身には立ち入りません。OSI 参照モデルでは第4層(トランスポート層)にあたります(OSI参照モデル)。
TCP が初めての方は、先に そもそも TCP とは・どんな場面で使うか をどうぞ。
アニメで見る — TCP/UDP のしくみ 開くと1ステップずつ動きます
クライアント
あなたのブラウザ等
サーバ
Web サーバ等
TCP
確実に届ける宅配便
UDP
速さ優先の投げっぱなし
STEP 1
※ イメージ図です。このページは図解だけで、入力・通信は一切行いません(送信ゼロ)。
手を動かす — TCP? UDP? 用途しんだん
あなたの用途、どっちで運ぶ?
4つの質問にトグルで答えると、その用途に向くプロトコル(TCP / UDP)を理由つきで判定します。 下のシナリオを押せば、トグルが自動でセットされて結果が出ます。 判定はすべてブラウザ内。何も送信しません。
▼ シナリオから選ぶ(トグルが自動でセットされます)
質問に答えるか
シナリオを選ぶと
ここに判定が出ます
※ これは「考え方の目安」です。現実には UDP の上に独自の信頼性補正を載せる方式(QUIC など)もあり、 用途によって両者を組み合わせます。判定の軸は、上の比較表(信頼性・順序・速度)と同じです。
そもそも TCP とは
「ちゃんと届いたか」を確かめながら運ぶ、書留のような通信ルール。
TCP(Transmission Control Protocol)は、データを順番どおり・欠けなく相手に届けるための取り決めです。Web・メール・ファイル転送など、1文字でも欠けたら困る通信の裏側で働いています。書留のように、荷物(データ)を小分けにして送り、届いたかを確認し、届いていなければ送り直します。
IP が「宛先の機器まで荷物を運ぶ道筋」を受け持つのに対し、TCP は「荷物が揃って、正しい順番で相手のアプリに渡ったか」に責任を持ちます。「TCP/IP」という名前は、この2つが組になって働くことに由来します。
どこで・どんな場面で使うか
-
Web サイトを見るとき
HTTPS でページを開く通信の多くは、TCP の上で動いています。
-
メールの送受信
メールを送る・受け取る仕組み(SMTP・IMAP など)も TCP を使います。
-
SSH やファイル転送
サーバーを遠隔操作したりファイルを送ったりするとき、1文字でも抜けたら困るので TCP が使われます。
-
アプリとデータベースの間
システムの裏側で、アプリがデータベースに問い合わせる通信も、多くは TCP です。
-
資格試験
CCNA・基本情報技術者・ネットワークスペシャリストなどで、通信の仕組みの定番です。
知らないと何が困るか
- 「つながらない」の原因を切り分けられない。
pingは通るのに Web が開かない、といったとき、特定のポートの窓口が閉じている可能性に気づけます。 - 遅い・切れる理由が分からない。電波の弱い場所や混んだ回線では、届かなかった分の再送が増えて通信が遅くなります。仕組みを知っていれば、体感の遅さに納得できます。
- ファイアウォールの設定が読めない。「TCP の 443 番を許可」と書かれた設定書や、申請書の意味が分かるようになります。
上の図解アニメと「用途しんだん」で、あなたの使い方には TCP が向くのか、確かめてみてください。
3ウェイハンドシェイクとは
いきなり話し出さず、まず3回あいさつしてから。
TCP は「確実に届ける」ことを大切にする運び方です。だからデータを送る前に、相手と 3回のあいさつを交わして「お互い準備できた」と確認します。これが 3ウェイハンドシェイク。電話で「もしもし」「はい、聞こえます」「では話します」と 確認してから本題に入るのと同じ発想です。
- 1
SYN =「つなぎたい」
クライアントがサーバに「接続したい」と申し込みます。SYN(Synchronize)は、最初の合図です。
- 2
SYN/ACK =「OK、そちらは?」
サーバが「受け取った(ACK)+こちらも準備できた(SYN)」を一度に返します。承認と申し込みの合わせ技です。
- 3
ACK =「了解」
クライアントが「確認しました」と返します。これで往復3回がそろい、接続が確立。ようやく本物のデータが流れ始めます。
この往復の手間があるぶん、TCP は接続開始に一瞬の遅れが出ます。けれども「届いたか確認して、抜けたら再送する」しくみが この接続の上に乗るので、データが順番どおり・取りこぼしなく相手に届きます。
TCP と UDP の違い
確実さの TCP、速さの UDP。
| 観点 | 📦 TCP | ⚡ UDP |
|---|---|---|
| 信頼性 | 高い(確実に届ける) | 低め(届く保証なし) |
| 順序 | 送った順に並べ直す | 保証しない(前後しうる) |
| 速度 | やや遅い(確認の手間) | 速い(接続・確認なし) |
| 確認応答・再送 | あり(抜けたら送り直す) | なし(投げっぱなし) |
| 接続 | あり(3ウェイハンドシェイク) | なし(コネクションレス) |
| 用途例 | Web(HTTP/HTTPS)・メール・ファイル転送 | 動画通話・オンラインゲーム・DNS |
どちらが「優れている」ではなく向き不向きです。1文字でも欠けたら困るもの(Web・メール・ファイル)は 確実な TCP。多少抜けても止めたくないもの(通話・ゲーム・DNS)は速い UDP。配信動画やビデオ会議では UDP 系の上に独自の補正を重ねるなど、両者を組み合わせる場面も増えています。
ひとこと:宛先には「ポート番号」もついている
TCP も UDP も、IPアドレス(どの機器か)に加えてポート番号(その機器の中のどの窓口か)を使って相手を特定します。
たとえば Web は 80/443、メールは 25/587 など。同じパソコンの中で複数のアプリが同時に通信できるのは、この窓口番号のおかげです。
ポート番号の早見は別ツール(/ports/)で扱います。
🔒 解説と比較表は読み物、上の「用途しんだん」も判定はすべてブラウザ内で行います。入力も通信もサーバには送られません(送信ゼロ)。
📘 CCNA ではここが問われる(200-301 v1.1・Network Fundamentals)
- TCP と UDP の比較:TCP は接続を作り、順番どおり・再送つき(コネクション型)。UDP は確認なしで軽い(コネクションレス型)
- 3ウェイハンドシェイクは SYN → SYN/ACK → ACK。終わるときは FIN を使う
- よく出るポート:HTTP 80、HTTPS 443、SSH 22、Telnet 23、FTP 20/21、SMTP 25、DNS 53(UDP と TCP)、DHCP 67/68(UDP)、TFTP 69(UDP)、SNMP 161/162(UDP)
- 遅れや取りこぼしに敏感な音声・動画通話は UDP を使うことが多い
- ポートを指定して通す・止める:アクセスリストの
permit tcp any any eq 80
たとえると
TCP は「書留」、UDP は「ふつうのはがき」にたとえられます。書留は、相手が受け取ったことを確かめ、届かなければ出し直します。そのぶん手間がかかります。はがきはポストに入れたら終わりで、速くて軽いかわりに、届いたかは分かりません。3ウェイハンドシェイクは、電話の「もしもし」「はい、どうぞ」「聞こえます」にあたる、話し始める前の3回のやり取りです。
このツールは、ネットワーク全体図のここ
- 自分の端末
- 家・会社の中
- 出入口
- 建物の外
- 相手のサーバー
- データセンター
- 見る・動かす
相手のサーバー側(サーバー)— 相手との会話を確実に届けるあいさつ(TCP)と、気軽に送る方式(UDP)の話です。
相手のサーバー側は、訪ねた先の会社の窓口のような場所です。OSI では第4層(トランスポート)。
このページに出てくる略語(8語)
- TCP (Transmission Control Protocol) — 相手と確認をとりながら、確実に順番どおり届ける方式
- UDP (User Datagram Protocol) — 確認をとらず、気軽に速く送りっぱなしにする方式
- SYN (Synchronize) — TCP で「これから話します」と伝える最初のあいさつ
- ACK (Acknowledgment) — TCP で「受け取りました」と返事をする合図
- TCP/IP (Transmission Control Protocol/Internet Protocol) — 今のインターネットで使う、決まりごとの一式。OSI より層が少ない
- L4 (Layer 4) — OSI の第4層(トランスポート層)。TCP・UDP とポート番号の話
- FIN (Finish) — TCP で「話はここまで」と接続を終える合図
- RST (Reset) — TCP で接続を強制的に切る合図
このツールについて
インターネットでデータを運ぶ二大ルール「TCP」と「UDP」のしくみを図で整理します。TCP が送信前に行う3回のあいさつ(3ウェイハンドシェイク)と、確実な TCP/速い UDP の使い分けを、アニメと比較表で。読むだけのページなので、通信も入力も一切ありません(送信ゼロ)。
TCPが送信前に交わす3回のあいさつ(SYN→SYN/ACK→ACK)と、確実なTCP/速いUDPの使い分けを、アニメと比較表でやさしく。
🔰 かんたんに言うと
データの送り方の2方式。TCPは「届いたか確認しながら丁寧に」(Web・メール)、UDPは「確認せず速く」(動画・通話)。用途で使い分けます。
主な機能
- 3ウェイハンドシェイクの図解アニメ
- TCPとUDPを対比する2モードの図解
- 信頼性・順序・速度・再送・用途の比較表
- Web/メール(TCP)と通話/ゲーム/DNS(UDP)の使い分け
- ポート番号への導入
よくある質問
Q. TCPとUDPの違いは何ですか?
A. TCPは接続を作って確実に・順番どおり・取りこぼしなく届けます。UDPは接続も確認もせず速く送り、取りこぼしを許容します。確実さのTCP、速さのUDP、と覚えると分かりやすいです。
Q. 3ウェイハンドシェイクとは何ですか?
A. TCPがデータを送る前に交わす3回のあいさつです。①SYN(つなぎたい)②SYN/ACK(OK+そちらは?)③ACK(了解)の順で往復し、接続を確立してから本データを流します。
Q. なぜSYN/ACKは1回にまとめるのですか?
A. サーバ側は「受け取った合図(ACK)」と「自分も接続したい合図(SYN)」を同時に返せるためです。往復を減らせて効率的なので、2番目だけSYNとACKが合わさります。
Q. どんなときにTCP/UDPが使われますか?
A. 1文字でも欠けたら困るWeb(HTTP/HTTPS)・メール・ファイル転送はTCP。遅延が致命的でわずかな欠落を許せる動画通話・オンラインゲーム・DNSはUDPが向きます。
Q. UDPは信頼できないから使わないほうがいい?
A. いいえ。「遅れて届くより、抜けても最新を届けたい」用途ではUDPが最適です。古いコマを再送するより次の最新コマを送るほうが自然な通話・ゲームでは、むしろUDPが正解です。
Q. TCP/UDPとポート番号の関係は?
A. どちらもIPアドレス(どの機器か)に加えてポート番号(機器内のどの窓口か)で相手を特定します。同じ端末で複数アプリが同時に通信できるのはポート番号のおかげです。
Q. このツールで通信や接続テストはできますか?
A. いいえ。図解と解説だけの読み物で、入力欄も通信もありません。実際にデータが送られることはなく、端末から外には何も出ません(送信ゼロ)。
入力値はURLの「#」以降に入るためサーバーには送信されません。リンクを開くと同じ状態を復元します。
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このツールの解説記事
この内容は、研修でも扱っています
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