住宅ローン『元利均等』vs『元金均等』結局どっちが得?──5000万・35年・1.5%で実額シミュレーション
住宅ローンの返済方式『元利均等』と『元金均等』の違いを、5000万・35年・1.5%の実額で比較。総支払額・月々の負担・家計のキャッシュフローの3軸で整理し、どんな人にどちらが向くかをまとめます。
住宅ローンの申込みで必ず聞かれる「返済方式は元利均等にしますか、元金均等にしますか」という質問。多くの方が「たぶん元利均等で…」と何となく選んで、後から気になる代表的なポイントです。
結論を先に書きます。
総支払額は元金均等のほうが安く、月々の負担は元利均等のほうが軽い。5000万・35年・1.5% の条件では、元金均等のほうが約 114 万円安いが、初期の月返済は約 1.7 万円高い。
この記事では、両者の仕組み・実額の差・家計目線でどちらが向くかを、計算根拠込みで整理します。
結論:両者の特徴を1枚で
| 項目 | 元利均等返済 | 元金均等返済 |
|---|---|---|
| 月々の返済額 | ずっと一定 | 初月が一番高く、徐々に減る |
| 元金の減り方 | 初期は遅い | 一定(毎月同じ) |
| 利息合計 | 多い | 少ない |
| 総支払額 | 多い | 少ない |
| 家計の見通し | 立てやすい | 初期がきつい |
| 借入可能額 | 大きい(月返済が小さくなりがち) | 小さい(初月で審査されるため) |
5000万・35年・固定1.5% で実額比較
元利均等返済の場合
- 月々:約 153,092 円(ずっと同じ)
- 総返済額:約 64,298,640 円
- 利息合計:約 14,298,640 円
元金均等返済の場合
- 初月:約 174,503 円(初月がピーク)
- 最終月:約 119,196 円(最終月が最安)
- 総返済額:約 63,156,250 円
- 利息合計:約 13,156,250 円
差額
| 項目 | 元利均等 | 元金均等 | 差 |
|---|---|---|---|
| 総支払 | 6,429.9万円 | 6,315.6万円 | 元金均等が 114.3 万円安い |
| 初月返済 | 153,092円 | 174,503円 | 元金均等が 21,411 円高い |
| 最終月返済 | 153,092円 | 119,196円 | 元金均等が 33,896 円安い |
35年で 114 万円の差。新車の頭金1台分です。
なぜ差がつくのか
元金均等のほうが総額で安くなる理由は、シンプルに「元金が早く減るから利息が少なくなる」ためです。
- 元利均等:毎月の返済「額」を一定にするため、初期は利息中心、後半に元金が減るカーブを描く
- 元金均等:毎月の「元金」を一定にするため、毎月コンスタントに元金が減り、それに連動して利息も減っていく
つまり「元金を早く減らせる元金均等のほうが、トータルの利息は少なくなる」。これが構造的な仕組みです。
月々のキャッシュフローで見る違い
5000万・35年・1.5% で、5年刻みの月返済額を比較してみます。
| 経過 | 元利均等 | 元金均等 |
|---|---|---|
| 1年目 | 153,092円 | 174,503円 |
| 5年目 | 153,092円 | 166,002円 |
| 10年目 | 153,092円 | 155,418円 |
| 15年目 | 153,092円 | 144,834円 |
| 20年目 | 153,092円 | 134,251円 |
| 25年目 | 153,092円 | 123,667円 |
| 30年目 | 153,092円 | 113,084円 |
| 35年目 | 153,092円 | 119,196円 |
元金均等は最初の5年が特にしんどく、その後は逆転して元利均等より楽になっていきます。**「キャッシュフローのカーブが右肩下がり」**が元金均等の最大の特徴です。
どんな人にどちらが向くか
元利均等が向く人
- 家計の見通しを最優先したい:教育費・生活費が読みづらく、毎月の返済額が一定だと家計簿が立てやすい
- 共働きで初期収入を別の用途に振りたい:投資・教育費・繰り上げ返済のいずれかに使う前提
- 借入額をギリギリまで伸ばしたい:月返済額が小さくなるため、審査で借りられる総額が大きくなる
元金均等が向く人
- 初期に余裕があり、将来の収入減を見込んでいる:定年・退職・出産育休などで将来手取りが下がる予想
- 総支払を1円でも減らしたい:時間が長いほど効くため、35年返済では効果が大きい
- 利息の天井感を抑えたい:35年合計で 114 万円違うのは「子1人の高校3年分の塾代」レベル
繰り上げ返済を組み合わせるとどうなる?
「元利均等で借りて、余裕がある年に繰り上げ返済する」というハイブリッド型を選ぶ人も多いです。これは、
- 普段は元利均等の安心感(フラットな月返済)を享受
- 余裕ができたタイミングで一気に元金を減らす(元金均等のメリットを部分的に取り込む)
という考え方で、実質的に元金均等に近い総支払額に持っていけます。難点は「繰り上げ返済する規律」が必要なこと。「来年やろう」で先送りにすると、最終的に元利均等の総支払額のままで終わるリスクがあります。
住宅ローン控除との関係
住宅ローン控除(年末残高 × 0.7%、上限あり、13年)は、年末時点の残高が大きいほど還付額が大きい仕組みです。つまり、
- 元金均等:早く残高が減るため、控除額の合計はやや少なくなる
- 元利均等:序盤の残高が高いため、控除額の合計は多めになりやすい
ただ、これで埋まる差は数十万円レベルで、利息差の 114 万円 を逆転するほどではありません。あくまで「控除込みでもなお元金均等のほうが得」というのが多くのケースの結論です。
一発でシミュレーション
借入額・金利・期間を変えて両者を比較するには、本サイトの 住宅ローンを整える を使ってください。
- 元利均等⇔元金均等の 総支払額・利息合計を即時比較
- 年別の元金・利息推移を1年〜35年まで一覧
- 住宅ローン控除込みの実質負担まで自動計算
- 5000万・35年・1.5% などプリセット即セット
合わせて使うと判断が早いツール:
まとめ
- 元利均等:月返済が一定、家計の見通しが立てやすい。総支払はやや多い
- 元金均等:月返済は初期に高く、徐々に下がる。総支払が安い
- 5000万・35年・1.5% では、元金均等が約 114 万円安いが、初月が約 1.7 万円高い
- 家計が安定していて将来の収入減を見込むなら 元金均等、見通し重視なら 元利均等
- 元利均等+繰り上げ返済のハイブリッド型も実用的
- 数字で見たいなら 住宅ローンを整える で即比較
「どちらが得か」よりも「自分の家計と将来計画にどちらが合うか」で決めるのが、35年を後悔しないコツです。