ネットワークを整える
中級VLANを整える。
= ポートに色を塗ると「同じ色どうししか通信できない」が分かる
ネットワークのどこの話? 家や会社の中(LAN)で、1台のスイッチを論理的に何個かのネットワークに分ける話です。OSI 参照モデルの第2層(データリンク層)にあたります(OSI参照モデル)。
VLAN が初めての方は、先に そもそも VLAN とは・どんな場面で使うか をどうぞ。
アニメで見る — 1台のスイッチを仮想的に分けるしくみ 開くと1ステップずつ動きます
営業A
VLAN10
スイッチ
同じVLANなら転送
営業B
VLAN10
営業
VLAN10
スイッチ
L2のみ
経理
VLAN20
営業
VLAN10
ルータ(L3)
VLAN10・VLAN20 両方に足を持つ
経理
VLAN20
STEP 1
※ イメージ図です。下で実際にポートをクリックして試せます(送信ゼロ)。
① 1台のスイッチで体験
ポートをクリックすると VLAN10(青)→VLAN20(緑)→VLAN30(橙)の順に切り替わります。下で2つのポートを選ぶと、通信できるかどうかを判定します。
🔲 スイッチ本体
ポート1 = PC-A、ポート5 = PC-B という想定で、下の判定に使えます。
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② 2台をまたぐ=トランク
スイッチを2台つなぐと、間のリンクは「アクセスポート」と「トランクポート」のどちらかになります。切り替えて、跨ぎ通信の可否がどう変わるか確かめてください。
🔲 スイッチ1
ポート1 = PC-C
中継リンク
🔲 スイッチ2
ポート1 = PC-D
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802.1Q タグとは
トランクポートは、複数のVLANのフレームを1本のケーブルで運びます。そのままでは相手のスイッチが「どのVLANのフレームか」を区別できないので、フレームにVLAN番号の荷札(タグ)を付けてから送ります。これが 802.1Q タグ付けです。
受け取ったスイッチはタグを見てVLANを判別し、アクセスポートへ送り出すときはタグを外して元のフレームに戻します(これを「タグを外す」と表現します)。実機では switchport mode trunk のようなコマンドで設定します。
そもそも VLAN とは
配線はそのまま、ネットワークを論理的に何個にも分ける。
VLAN(Virtual LAN・仮想 LAN)は、1台のスイッチを、論理的に複数のネットワークに分ける機能です。壁を立てずにパーティションで、フロアを経理・開発・来客用に区切るようなイメージです。
ふつう、同じスイッチにつないだ機器は同じネットワークに入ります。VLAN を使うと、同じスイッチでも VLAN が違う機器どうしは直接通信できず、ルーターなどを経由します。VLAN は VLAN ID(1〜4094)の番号で区別します。
どこで・どんな場面で使うか
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オフィスの部署分け
配線を変えずに、部署ごとに別のネットワークを割り当てます。
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来客用 Wi-Fi
社内の機器とゲストの端末を、同じ設備で分けて使います。
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IP 電話・防犯カメラ
音声やカメラの通信を専用の VLAN にまとめて管理します。
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サーバー室・データセンター
サーバー用・管理用など、役割ごとに分けて運用します。
-
資格試験
CCNA の定番分野で、ネットワークスペシャリスト試験でも出ます。
知らないと何が困るか
- 「同じ階なのに通信できない」の原因が分からない。物理的には隣でも、VLAN が違えば別のネットワークです。設定画面を見る習慣がないと、迷子になります。
- 設定の見落としで、意図しないところにつながる。ポートの割り当てを間違えると、分けたつもりの機器どうしが見えてしまったり、逆に見えなかったりします。
- スイッチを増やしたときに詰まる。複数のスイッチをまたぐ設定(トランク)の考え方を知らないと、増設のたびにつまずきます。
上の体験で、ポートに VLAN を割り当てて、どの端末どうしが通信できるのか確かめてみてください。
③ なぜVLANを分けるのか
1つの物理スイッチを、論理的に複数のネットワークへ分ける理由と、現場でありがちな失敗を整理します。
ブロードキャストの分割
同じLANの端末が増えるほど、宛先を指定しない「ブロードキャスト」が全員に届いてしまい、無駄な通信(ブロードキャストストーム)が増えます。VLANで区切ると、ブロードキャストが届く範囲もVLAN内だけに収まります。
部署・ゲストの分離
経理部・開発部・来客用Wi-Fiなどを同じ配線のまま論理的に分けられます。物理的に配線を分けなくても、部署ごとに独立したネットワークのように扱えるのが大きな利点です。
セキュリティ
L2では別VLANどうし通信できないため、ゲスト用の端末が社内システムのセグメントへ直接アクセスすることを防げます。跨ぐ通信はルータ/L3スイッチを通すので、そこにアクセス制御(ACL)を仕込めます。
⚠️ ありがちな失敗
- トランク設定を忘れる: スイッチを跨ぐリンクをアクセスポートのままにしてしまい、「同じVLANのはずなのに、隣のスイッチのPCと通信できない」となるケース。上の②の体験と同じ状況です。
- 「VLANを分けたのに全部通る」=実は同じVLANだった: ポートごとにVLAN番号を割り当てたつもりが、初期設定のままVLAN1(デフォルトVLAN)に残っていたり、両方とも同じVLAN番号を指定してしまっていたりして、分離できていないケース。設定後は必ず「意図した番号になっているか」の確認が要ります。
📘 CCNA ではここが問われる(200-301 v1.1・Network Access)
- VLAN の作成と、アクセスポートへの割り当て(
vlan 10/name SALES/switchport mode access/switchport access vlan 10) - 標準の VLAN は 1〜1005、拡張は 1006〜4094。VLAN 1 は既定の VLAN で、何も設定しないポートはすべて VLAN 1 に入ります
- トランクポートと 802.1Q(
switchport mode trunk/switchport trunk allowed vlan)。802.1Q は 4 バイトのタグで VLAN ID を運びます - ネイティブ VLAN はトランク上でタグが付かない VLAN(既定は VLAN 1)。両端で食い違うとつながりが乱れ、CDP の警告ログも出ます(
switchport trunk native vlan) - 確認コマンド:
show vlan brief・show interfaces trunk・show interfaces switchport
VLAN どうしをつなぐには ルーターか L3 スイッチが要ります(ルーティング)。スイッチを輪にするときは STP、複数のリンクを束ねるなら EtherChannel、盗み見の対策は ポートセキュリティ。全体の位置づけは ネットワーク全体図 で。
たとえると
ビルの同じフロアに机を並べたまま、名札の色ごとに「島」を分けるイメージです。青の島の人の声は青の島にしか届かず、別の島の人と話したいときは受付(ルーター)に取り次いでもらいます。机の配置(配線)を変えずに、島の分け方だけを後から変えられます。
このツールは、ネットワーク全体図のここ
- 自分の端末
- 家・会社の中
- 出入口
- 建物の外
- 相手のサーバー
- データセンター
- 見る・動かす
家・会社の中(LAN)— 1台のスイッチの中を、見えない壁で部署ごとに分ける話です。
家・会社の中は、同じ建物の中の廊下と部屋割りのような場所です。OSI では第2層(データリンク)。
このページに出てくる略語(8語)
- LAN (Local Area Network) — 家や会社の建物の中だけでつながったネットワーク
- VLAN (Virtual Local Area Network) — 1台のスイッチの中を、見えない壁で部署ごとの LAN に分ける仕組み
- 802.1Q (IEEE 802.1Q) — VLAN の印(タグ)を通信に付けて、1本の線に複数の VLAN を流す規格
- SVI (Switch Virtual Interface) — スイッチの中に作る、VLAN 用の仮想的なルーターの口
- DTP (Dynamic Trunking Protocol) — スイッチ同士が話し合って、トランク(複数 VLAN を流す線)にする仕組み
- VTP (VLAN Trunking Protocol) — VLAN の一覧を、スイッチ同士で配って揃える Cisco の仕組み
- ISL (Inter-Switch Link) — Cisco 独自の、スイッチ間で VLAN の印を付ける古い方式
- L2 (Layer 2) — OSI の第2層(データリンク層)。MAC アドレスで届ける話
このツールについて
スイッチのポートに色(VLAN)を割り当てると、『同じ色どうししか通信できない』ことが目で分かります。CCNA試験範囲『Network Access』に対応する基礎です。実機の設定コマンドではなく、まず仕組みの理解に集中します。
ポートをクリックして VLAN10/20/30 を割り当てると、同じ色(VLAN)どうしだけ通信できることが判定つきで分かる。2台のスイッチを跨ぐにはトランクポート+802.1Qタグが必要、という点も体験できます。CCNA『Network Access』対応。
🔰 かんたんに言うと
1台のスイッチを、色分けした複数のネットワークに分ける技術です。同じ色どうしだけが通信できます。
主な機能
- 8ポートのスイッチ図をクリックでVLAN10/20/30に切替
- 2ポート選択→通る/通らないを理由文つきで判定(aria-live)
- 2台のスイッチを跨ぐ「アクセス⇔トランク」切替体験
- 802.1Qタグ(VLAN番号の荷札)の図解
- ブロードキャスト分割・部署/ゲスト分離などVLANを分ける理由
- ありがち失敗(トランク設定忘れ・実は同じVLAN)を解説・送信ゼロ
よくある質問
Q. VLANとは何ですか?
A. 1台の物理スイッチを、複数の論理的なネットワーク(VLAN)に分ける技術です。同じVLAN番号のポートどうしは同じLANとして通信でき、VLANが違うポートどうしはL2(スイッチ内)では通信できません。配線を分けなくても、部署やゲストのネットワークを分離できます。
Q. なぜ別VLANどうしはL2で通信できないのですか?
A. VLANはそれぞれが独立したブロードキャストドメイン(別のネットワーク)として扱われるためです。異なるネットワーク間の通信には、IPアドレスをもとに経路を決めるルータやL3スイッチが必要になります。
Q. アクセスポートとトランクポートは何が違いますか?
A. アクセスポートは1つのVLANのフレームしか運べず、主にPCなど末端機器を接続します。トランクポートは複数VLANのフレームを802.1Qタグ付きで運べ、主にスイッチどうしやスイッチ―ルータ間の中継リンクに使います。
Q. 802.1Qタグとは何をしているのですか?
A. トランクリンクを流れるイーサネットフレームに「このフレームはVLAN10のものです」という荷札(VLAN番号)を挿入する仕組みです。受け取ったスイッチはタグを見てVLANを判別し、アクセスポートへ送り出す際にはタグを外します。
Q. 同じVLAN番号なのに2台のスイッチを跨ぐと通信できないのはなぜですか?
A. スイッチ間のリンクがアクセスポートのままで、802.1Qタグを運べない設定になっている可能性が高いです。跨ぐ通信を通すには、そのリンクをトランクポートに設定する必要があります(実機では switchport mode trunk 等)。
Q. 「VLANを分けたのに全部通ってしまう」のはなぜですか?
A. 多くの場合、ポートの割り当てが意図した番号になっておらず、初期設定のデフォルトVLAN(VLAN1など)のまま残っている、あるいは両方に同じVLAN番号を設定してしまっているケースです。設定後は各ポートのVLAN番号を必ず確認してください。
Q. VLANを分けるとブロードキャストにどう影響しますか?
A. ブロードキャスト(宛先を指定しない通信)は、送信元と同じVLAN内の端末にしか届きません。VLANで細かく分けるほどブロードキャストが届く範囲が狭くなり、無駄な通信(ブロードキャストストーム等)の影響を抑えられます。
Q. このツールで実機の設定コマンドは学べますか?
A. 本ツールは概念の理解に絞っており、コマンドの入力練習は扱いません。実機では switchport access vlan 10 やswitchport mode trunk のようなコマンドで設定しますが、まずは『同じVLANどうししか通信できない』『跨ぐにはトランクが要る』という考え方を掴むことを目的にしています。
入力値はURLの「#」以降に入るためサーバーには送信されません。リンクを開くと同じ状態を復元します。
続けて整える
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