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ネットワークを整える

初級

無線LANを整える。

= Wi-Fiのチャンネル・帯域・セキュリティの基本

ネットワークのどこの話? 家や会社の中(LAN)で、有線の代わりに電波で端末をつなぐ話です。OSI 参照モデルの第1層・第2層(物理層・データリンク層)にあたります(OSI参照モデル)。

Wi-Fi が初めての方は、先に そもそも Wi-Fi とは・どんな場面で使うか をどうぞ。

アニメで見る — Wi-Fiにつながるまで 開くと1ステップずつ動きます
📱

端末

スマホ・PC

🔍 SSID(電波の名前)をスキャン中
🔑 パスワード(パスフレーズ)
🔒 暗号化された通信
📶 電波が弱い(距離・障害物)
🐢 つながっても遅い
📡

ルーター

Wi-Fi親機(アクセスポイント)

🙋 接続要求を受信
🔎 鍵が合っているか確認中
✅ 認証OK(鍵が一致)
🔒 暗号化された通信

STEP 1

※ イメージ図です。WPA2/WPA3の認証手順(4ウェイハンドシェイクなど)は「鍵の確認」として簡略化しています。

① チャンネルの重なりを見る

2.4GHz帯は1〜13chありますが、各chの電波は隣のchまではみ出して広がっています。2つのchを選んで、実際に重なる(干渉する)かどうかを確かめてみましょう。

2.4GHz チャンネルマップ(横軸=周波数) chを2つクリックすると重なり判定

選択中: なし(2つ選ぶと判定します。もう一度押すと選択解除)

結果

計算中…

結論:重ならない組は 1・6・11。 中心周波数が22MHz以上離れていれば電波の裾野が重ならないため、2.4GHz帯を複数のWi-Fiで使い分けるときはこの3chの中から選ぶのが定石です。

⚠️ よくある勘違い:隣の家がch1を使っているからと「ズラすつもり」でch2にすると、中心周波数の差はわずか5MHz。ほぼ真上に重なる、実は最悪の組み合わせです。ズラすなら1・6・11のように大きく離す必要があります。

そもそも Wi-Fi とは

ケーブルの代わりに電波で、ネットワークにつなぐ仕組み。

Wi-Fi(無線LAN)は、ケーブルを使わず電波でパソコンやスマホをネットワークにつなぐ仕組みです。ルーターやアクセスポイントが電波を出し、機器がそれを受けてつながります。Wi-Fi は業界団体が認めた製品につく名前で、元になっている規格は IEEE 802.11 です。

電波は、目に見えない空気中のケーブルのようなものです。ただし電波は壁や他の機器の影響を受けやすく、同じ場所で使う人や機器が増えると混み合います。そのため、設定や置き場所の工夫が大切になります。

どこで・どんな場面で使うか

  • 家庭のルーター

    スマホ、パソコン、テレビ、ゲーム機などを、ケーブルなしで同時にネットワークにつなぎます。

  • オフィスや会議室

    社員や来客の端末が多数つながるため、アクセスポイントの置き方や設定で、つながりやすさが大きく変わります。

  • 店舗・駅・カフェなどの公共の Wi-Fi

    来店者向けに用意されますが、暗号化の有無で安全性が異なるため、つなぐ側も見分ける必要があります。

  • 工場や倉庫、IoT 機器

    配線しにくい場所のセンサーや端末を、無線でつなぐ場面で使われます。

  • 資格試験

    CCNA の Network Fundamentals で無線LANの基礎が問われ、基本情報技術者試験でもセキュリティと合わせて出てきます。

知らないと何が困るか

  • 遅い・切れる原因が分からない。電波が混み合っているのか、距離なのか、ルーターの設定なのかを切り分けられず、買い替えだけに頼りがちになります。
  • 安全でない設定のまま使ってしまう。暗号化の設定が弱いと、通信を他人にのぞかれたり、勝手につながれたりするおそれがあります。
  • 置き場所や設定で改善できると気づけない。ルーターの設定や置き場所を見直すだけで、つながりやすさが改善することがあります。

このページのツールで、チャンネルの重なりや、周波数帯・セキュリティの違いを順に見てみてください。

② 2.4GHz と 5GHz/6GHz の使い分け

帯域にはそれぞれ得意・不得意があります。まずは特性の比較、そのあとで「自分の環境ならどちらが有利か」を簡易シミュレーションで見てみましょう。

帯域 得意なこと 弱み
2.4GHz 壁を回り込みやすく遠くまで届く 電子レンジ・Bluetooth等と干渉しやすく混みがち
5GHz 速く、干渉が少なくて空いていることが多い 壁など障害物に弱く、遠いと届きにくい
6GHz 最新規格(Wi-Fi 6E/7)でさらに空いていて速い 対応する親機・子機がまだ限られる
かんたん帯域シミュレーション 概算モデル・目安です

結果

計算中…

※ 建材や機器の性能で大きく変わる簡易モデルです。実際の速度・電波状況の保証ではなく「目安」としてご利用ください。

③ セキュリティの新旧

暗号化方式は世代交代してきました。今つながっているWi-Fiがどれかは、スマホ・PCのWi-Fi詳細設定やルーターの管理画面で確認できます。

規格 時期 評価 ひとこと
WEP 1997年〜(過去の規格) 使わない 暗号が数分〜数秒で解読できてしまうほど脆弱。今は使ってはいけない規格。
WPA 2003年〜(WEPの応急処置) 使わない WEPの弱点を急いで補った暫定規格。今となっては脆弱で非推奨。
WPA2 2004年〜(長く現役) 現役 現在も広く使われている現役規格。強いパスフレーズと組み合わせれば実用上は問題なし。
WPA3 2018年〜(最新・推奨) 推奨 個別暗号化や総当たり耐性が強化された最新規格。対応機器があれば優先したい。

🔓 SSID非表示・MACフィルタは「気休め」

SSIDを非表示にしても電波自体は出ているので専用ツールで見つかりますし、MACアドレスは通信を見れば分かるため偽装されえます。本筋は暗号化方式(WPA2以上)と強いパスフレーズです。

☕ 公共Wi-Fiの注意

暗号化のない、または弱いカフェ・駅の無料Wi-Fiでは通信を覗き見されるリスクがあります。重要な情報のやり取りは避けるか、VPN等を併用しましょう。自分の対策度は セキュリティの腕試し(skillcheck) でも確認できます。

④ ありがち失敗

「なんとなく遅い・つながらない」の背後にある、よくある原因を集めました。

⚠️ 中継器を何段も繋いでしまう

無線の中継(リピーター)は1段ごとに速度がおよそ半分になりがち。2段中継すると理論上は最大速度の1/4程度まで落ちる。有線LANで中継器を親機に繋ぐ「有線バックホール」なら速度低下を避けやすい。

⚠️ ルーターの置き場所が悪い

床置き・金属棚の中・水槽の近く・部屋の隅は電波が届きにくい。電波は金属や水に遮られやすいため、部屋の中央・高い場所に、遮る物がない状態で置くのが基本。

⚠️ 古い規格の子機が全体を巻き込む

1台でも古い規格(例: 11g/11n)の機器が繋がっていると、ルーターがその機器に合わせて速度を落とすことがある(互換性維持のため)。古い機器だけ別のSSID・別帯域に分けると改善することがある。

⚠️ 電子レンジ・Bluetoothとの干渉

電子レンジは2.4GHz帯の電波を発するため、動作中は2.4GHz Wi-Fiの速度が落ちたり切れたりすることがある。5GHz帯はこの干渉を受けにくい。

⚠️ 隣家のWi-Fiと「ズラしたつもり」が実は最悪

隣がch1を使っているからとch2にすると、中心周波数差はわずか5MHzで、実はほぼ真上に重なる=最悪の干渉。ズラすなら22MHz以上離れた1・6・11のような組み合わせを選ぶ必要がある。

📶 CCNA試験範囲「Network Fundamentals」対応:無線LANのチャンネル・帯域・セキュリティ規格の基礎を扱っています。

📘 CCNA ではここが問われる(200-301 v1.1・Network Access/Security Fundamentals)

  • 2.4GHz の重ならないチャンネルは 1・6・11(20MHz 幅の場合)。5GHz は重ならないチャンネルが多く、混雑しにくい
  • 規格:802.11b/g(2.4GHz)・a(5GHz)・n(2.4/5GHz)・ac(5GHz)・ax(Wi-Fi 6/2.4・5GHz)
  • Cisco の無線の構成:自律型 AP、コントローラー(WLC)が複数の AP をまとめるコントローラーベース(軽量 AP は CAPWAP トンネルで WLC とつながる)、クラウド型。AP のモードは Local・FlexConnect・Monitor・Sniffer・Bridge などがあります
  • セキュリティ:WPA2 は AES(CCMP)、WPA3 は SAE による認証。個人向けは PSK(共通のパスワード)、企業向けは 802.1X(RADIUS による個別認証)
  • WLC の GUI で WLAN を作り、SSID・セキュリティ・QoS を指定する流れも範囲に含まれます

AP とスイッチをつなぐ線は LANケーブル・PoE、AP の置き場所ごとに VLAN を分けるのは VLAN、速度の見積もりは 帯域。全体の位置づけは ネットワーク全体図 で。

たとえると

電波は、目に見えない「会議室の話し声」です。同じ部屋で何組もが同じ声の高さ(チャンネル)で話すと、混ざって聞き取れません。隣の組と声の高さをずらせば混ざりにくくなりますが、2.4GHz は声の高さの幅が狭く、近い高さどうしは重なってしまいます。そこで、重ならない 1・6・11 を選びます。入口で合言葉(WPA2・WPA3)を確かめるのが、無線のセキュリティです。

このツールは、ネットワーク全体図のここ

  1. 自分の端末
  2. 家・会社の中
  3. 出入口
  4. 建物の外
  5. 相手のサーバー
  6. データセンター
  7. 見る・動かす

家・会社の中(LAN)— ケーブルの代わりに電波で建物の中につなぐ話です。

家・会社の中は、同じ建物の中の廊下と部屋割りのような場所です。OSI では第1層(物理)・第2層(データリンク)。

「ブラウザで URL を打ってからページが出るまで」の 1 番目(ケーブルか Wi-Fi でつなぐ)で活躍します。

次の段: DHCP

このページに出てくる略語(15語)
  • WLAN (Wireless Local Area Network) — 電波でつなぐ LAN。いわゆる Wi-Fi の環境
  • SSID (Service Set Identifier) — Wi-Fi の名前。スマホの一覧に出てくる接続先の名前
  • AP (Access Point) — 端末と有線 LAN をつなぐ、Wi-Fi の電波の基地
  • WLC (Wireless LAN Controller) — 多数の AP をまとめて管理する、無線 LAN の司令塔
  • CAPWAP (Control And Provisioning of Wireless Access Points) — WLC が AP を制御するための決まりごと
  • WEP (Wired Equivalent Privacy) — Wi-Fi の古い暗号化方式。破られているので使わない
  • WPA (Wi-Fi Protected Access) — WEP の弱さを直した、Wi-Fi の暗号化方式
  • WPA2 (Wi-Fi Protected Access 2) — AES を使う、長く標準だった Wi-Fi の暗号化方式
  • WPA3 (Wi-Fi Protected Access 3) — WPA2 より守りを強めた、新しい Wi-Fi の暗号化方式
  • EAP (Extensible Authentication Protocol) — ID・パスワードや証明書で認証するための、認証方式の入れ物
  • 802.11 (IEEE 802.11) — 無線 LAN(Wi-Fi)の規格
  • RADIUS (Remote Authentication Dial-In User Service) — 認証を専用のサーバーにまとめる標準の決まりごと(Wi-Fi の認証に多い)

ほか3語は、略語集で引けます。

ネットワークの略語をすべて見る

ネットワークの全体図を見る

このツールについて

なぜルーターのチャンネルは「1・6・11」を勧められるのか。2.4GHz帯のチャンネルを図にして重なりを見え化し、帯域の使い分け・セキュリティの新旧・ありがちな失敗までを一気に整理します。家のWi-Fiに悩む人からCCNA学習者まで。

2.4GHzのチャンネルが重なっているのを図で見て、「1・6・11を使う理由」が腹落ち。距離・壁の枚数から2.4GHz/5GHzどちらが有利かの目安も計算。WEP→WPA2→WPA3のセキュリティ進化と、中継器多段・置き場所などありがち失敗も収録。

🔰 かんたんに言うと

家のWi-Fiのチャンネルが「隣とかぶって遅い」原因を図で確認できます。1・6・11を使えばかぶりにくい、という定番の理由が分かります。

主な機能

  • 2.4GHz帯13chの重なりをSVGで可視化、2ch選んで干渉判定
  • 「1・6・11が重ならない」結論と、ズラしたつもりが最悪になるあるある
  • 距離・壁の枚数から2.4GHz/5GHzどちらが有利かの簡易シミュレーション
  • WEP→WPA2→WPA3のセキュリティ進化表とSSID非表示は気休めという注意
  • 中継器多段・設置場所・古い規格の子機・電子レンジなどありがち失敗5種
  • 送信ゼロ・全てブラウザ内計算

よくある質問

Q. なぜルーターは「1・6・11ch」を勧められるのですか?

A. 2.4GHz帯の電波は中心の周波数だけでなく前後にも広がっており、隣接するチャンネルどうしは重なって干渉します。中心周波数の差が22MHz以上あれば重ならないため、1・6・11の3つを選べば、13chある中でも互いに干渉しにくい組み合わせになるからです。

Q. 隣の家がch1だから、ch2にズラせば安心ですか?

A. むしろ最悪の組み合わせです。ch1とch2の中心周波数の差はわずか5MHzで、電波の裾野がほぼ真上に重なります。ズラすなら22MHz以上離す必要があり、1→6や1→11のように大きく離すのが正解です。

Q. 2.4GHzと5GHz、結局どちらを選べばよいですか?

A. 近くて壁が少ないなら5GHz(速い・空いている)、遠い・壁が多いなら2.4GHz(届きやすい)が目安です。本ツールの簡易シミュレーションは距離と壁の枚数からどちらが有利かの概算を出しますが、建材や機器で変わるためあくまで目安です。

Q. 6GHz帯(Wi-Fi 6E/7)は何が違うのですか?

A. 2.4GHz・5GHzよりさらに新しく空いている帯域で、干渉が少なく高速です。ただし対応する親機・子機がまだ限られるため、両方が対応している場合にだけ使えます。

Q. WEPやWPAはもう使ってはいけないのですか?

A. はい。WEPは数分〜数秒で解読されるほど脆弱で、WPAもその応急処置に過ぎず今は非推奨です。現役として使えるのはWPA2以降で、対応していればWPA3を優先してください。

Q. SSIDを非表示にしたり、MACアドレスでフィルタすれば安全ですか?

A. 気休め程度です。SSIDを隠しても電波自体は出ているため専用のツールで見つかりますし、MACアドレスは通信を観測すれば分かるので偽装されえます。本筋はWPA2以上の暗号化と、推測されにくい強いパスフレーズです。

Q. 中継器(Wi-Fi拡張機)を使うと遅くなるのはなぜですか?

A. 無線での中継は1段ごとに実効速度がおよそ半分になりがちなためです。2段中継すると理論上は最大速度の1/4程度まで落ちることがあります。可能なら中継器を有線LANで親機とつなぐ「有線バックホール」にすると速度低下を避けやすくなります。

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このツールの解説記事

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