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Excel関数は500個中20個で足りる──覚えるのではなく「逆引き」する

Excelには500近い関数がありますが、日常業務で使うのはそのうち20個前後です。実務頻出20関数の一覧と「やりたいこと→関数」の対応づけ、暗記せずコピペして直す学習法、totonoeのExcelカテゴリ全体の使い方まで解説します。

「Excel関数、全部覚えなきゃダメですか?」という相談をよく受けます。書店に並ぶ「Excel関数事典」は、分厚いもので500近い関数を収録しています。あれを全部覚えようとして挫折した方も多いはずです。

関数、何から覚えればいいですか?」「暗記が苦手なんですが、Excelは無理でしょうか?

結論から言います。

覚える必要はありません。 Excelには500近い関数がありますが、実務で日常的に使うのは20個前後です。しかもそれすら暗記するものではなく、「やりたいこと→この関数」という逆引きで十分です。この記事では実務頻出20関数を一覧にし、コピペして直す学習法まで説明します。


なぜ500個のうち20個で足りるのか

Excelの関数が多いのは、財務・統計・エンジニアリングなど専門分野の計算まで網羅しているからです。一般的な事務作業で発生する「やりたいこと」は、実はそれほど種類が多くありません。

  • 表から必要な情報を探してくる
  • 条件によって表示を分ける
  • 条件に合うものだけ集計する
  • 数値を丸める
  • 日付を計算する
  • 文字列を整形する

この6種類の「やりたいこと」に対応する関数を押さえれば、実務の9割はカバーできます。残り480個は「その関数でしか解決できない特殊なケース」に出会ったときに、そのつど検索して調べれば十分です。


実務頻出20関数の一覧表

「やりたいこと」別に20関数を整理しました。覚える順番も、この表の上からが実務での出番の多さに近いです。

やりたいこと関数一言でいうと
表から探すVLOOKUP表の左端の列を上から探して、対応する値を返す
表から探す(新しい環境)XLOOKUPVLOOKUPの上位互換。左右どちらの列も検索可
表から探す(行×列)INDEX / MATCH行と列を別々に指定して交差点を探す
条件で分けるIF条件がTRUEかFALSEかで表示を変える
条件で分ける(3つ以上)IFS条件を上から順に判定し、最初に一致した結果を返す
条件を組み合わせるAND / OR複数条件の「かつ」「または」を判定する
エラーを整えるIFERRORエラーのときだけ代わりの表示に差し替える
条件付き合計SUMIF / SUMIFS条件に合う行だけ合計する(複数条件はSUMIFS)
条件付き件数COUNTIF / COUNTIFS条件に合う行だけ数える
条件付き平均AVERAGEIF条件に合う行だけ平均する
数値を丸めるROUND四捨五入して桁数をそろえる
切り捨て・切り上げROUNDDOWN / ROUNDUP端数を切り捨てる・切り上げる
今日の日付TODAY今日の日付を自動表示する(開くたび更新)
期間・年齢を計算DATEDIF2つの日付の差を年・月・日単位で出す
文字列をつなげるCONCAT複数セルの文字列を1つにつなげる
文字列の一部を取り出すLEFT / RIGHT / MID左から・右から・途中からN文字取り出す
余分な空白を除くTRIM前後・連続する空白を1つに整える
順位を出すRANK数値の集団の中での順位を返す
集計の万能選手SUMPRODUCT複数条件のかけ算集計など、SUMIFSで足りない場面をカバー
クロス集計(ピボットテーブル)関数ではなく機能。行×列の全組合せを一気に集計

20個目だけは関数ではなく機能(ピボットテーブル)ですが、「集計」という目的では関数と並んで実務頻出の選択肢なので、あえて表に加えました。


「やりたいこと→関数」で逆引きする

関数名から覚えようとすると挫折します。逆に、自分が今困っていることを起点にすると、使う関数は自然に1〜2個に絞れます。

  • 「別の表から商品名や単価を引っ張ってきたい」→ VLOOKUPXLOOKUP
  • 「点数が80点以上ならA、60点以上ならB、それ以外はCと表示を分けたい」→ IFS(3分岐以上)か IF の入れ子
  • 「東京支店・7月分だけの売上を合計したい」→ SUMIFS(条件が2つ以上)
  • 「入社日から今日までの勤続年数を出したい」→ DATEDIF
  • 「消費税込みの金額を1円未満切り捨てで出したい」→ ROUNDDOWN
  • 「他システムから来たデータの先頭何文字だけ取り出したい」→ LEFT
  • 「支店ごと・商品ごとの売上を、縦横のクロス集計表で見たい」→ ピボットテーブル

「関数名がわからない」ことは、実務では何のハンディキャップにもなりません。「やりたいこと」さえ言葉にできれば、対応する関数はこの表から引けます。


暗記しない学習法:コピペして、自分のデータで壊してみる

関数を身につける一番の近道は、構文を覚えることではなく、動いている数式を自分のデータに当てはめて壊してみることです。

  1. まず「やりたいこと」に近い数式の例を1つ手に入れる(この記事の表や、後述のツールから)
  2. 自分のシートにそのままコピペする
  3. セル参照だけを自分のデータの場所に書き換える
  4. わざと条件や引数を変えてみて、結果がどう変わるか観察する

たとえば =SUMIF(A:A,"東京",B:B) をコピペしたら、"東京""大阪" に変えてみる、SUMIFCOUNTIF に変えて件数と合計の違いを見比べる——このように一度動いている数式を少しずつ壊しながら触るほうが、白紙の状態で構文を暗記するよりずっと早く身につきます。エラーが出ても、壊しているのはコピーなので安心して試せます。


ブラウザで安全に試すなら

「やりたいこと」から関数を選び、そのままコピペできる数式例を確認したいときは、Excel関数の選び方を整える が入口になります。12のボタンから「やりたいこと」を選ぶだけで、おすすめの関数と一言理由、コピペできる数式例が表示される逆引きガイドで、代表21関数のカードとシリーズ全ツールへの地図もまとまっています。

条件分岐を実際に手を動かして体感したいなら IF関数を整える で、条件・しきい値・結果を埋めるだけでIFS版とネストIF版の数式が自動生成され、どの条件で確定したかが光って見えます。条件付き集計を試したいなら SUMIF・COUNTIFを整える で、条件に合ったセルが光る様子を見ながら数式をコピーできます。

このシリーズでは他にも、VLOOKUPの#N/Aの原因、$マークによる絶対参照、ピボットテーブルの元データの作り方を扱ってきました。いずれもtotonoeの Excelカテゴリ(/tools/excel/ から一覧でき、すべて入力データを外部に送信せず、ブラウザの中だけで完結します。

500個を覚える必要はありません。**20個を「逆引き」できれば、実務のExcelはほぼ困らなくなります。**まずは今、目の前で困っている「やりたいこと」を1つ、この表から引いてみてください。

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