ネットワークを整える
専門ACLを整える。
= 通す/止めるのルールが「上から順」に効く様子が見える
ネットワークのどこの話? 家や会社の中(LAN)や、会社とインターネットの境目にあるルーターで、通す通信・止める通信を決める話です。主に OSI 参照モデルの第3層・第4層(IP アドレスとポート番号)を見ます(OSI参照モデル)。
ACL が初めての方は、先に そもそも ACL とは・どんな場面で使うか をどうぞ。
アニメで見る — ACLは上から順に評価される 開くと1ステップずつ動きます
行1
deny 10.1.2.0/24
行2
permit 10.1.0.0/16
行3
permit 192.168.1.0/24
STEP 1
※ イメージ図です。下の「① パケットを流してみる」で実際に動かして確かめられます。
① パケットを流してみる — 上から順に光ります
サンプルのACLは3行+暗黙のdeny。送信元IPを選ぶと、上の行から順に「この行に当てはまるか?」がチェックされ、最初に一致した行で確定します(permit=緑/deny=赤)。
サンプルACL(読み込まれている条文)
seq 10 — deny 10.1.2.0 0.0.0.255
seq 20 — permit 10.1.0.0 0.0.255.255
seq 30 — permit 192.168.1.0 0.0.0.255
(最後に見えない:暗黙の deny any any)
評価の流れ(上から順に。確定した行が光ります)
② 順番を入れ替えると結果が変わる — 「狭い条件ほど上に」
同じ3行・同じ送信元IPでも、並び順を変えるだけで判定が変わります。広い条件を先に置くと、狭い条件は永遠に出番が来ません。
同じIP・同じ3行、順番だけが違う
③ ワイルドカードマスク計算機 — サブネットマスクと逆さまのビット
ワイルドカードマスクは、サブネットマスクの各ビットを反転させたもの。「0=一致必須」「1=何でもよい」という向きが、サブネットマスクの「1=ネットワーク部」「0=ホスト部」とは逆になる点に注意。
オクテットごとのビット図解(0=一致必須/1=何でもよい)
読み方
ワイルドカードのビットが 0 の桁は「IPと完全に一致していないとダメ」、1 の桁は「その桁は何でもよい」という意味です。0.0.0.0(全ビット0)はホスト1台だけを指定、255.255.255.255(全ビット1)はany(誰でも)を意味します。
そもそも ACL とは
通してよい通信と、止める通信を決める、受付の名簿。
ACLは Access Control List(アクセス制御リスト) の略で、ネットワークの通信に対して「この送り元・この宛先は通す、これは止める」というルールを並べた一覧です。ルーターやファイアウォールが、通る通信をこの一覧に照らして判断します。
マンションの受付を想像してください。受付の名簿に載っている人だけを通し、載っていない人はお断りします。ACL は、それをネットワークの通信でやっているものです。
どこで・どんな場面で使うか
-
社内ネットワークの部署間の制限
経理部のネットワークには、他の部署から入れないようにするといった使い方をします。
-
ルーターへのリモート接続を絞る
管理用の接続(SSH など)を、決まったパソコンからだけに限る設定にも ACL が使われます。
-
インターネットとの出入り口
外から社内への通信や、社内から特定のサイトへの通信を制限するルールが、ACL の形で書かれます。
-
クラウドのネットワーク設定
AWS のネットワーク ACL やセキュリティグループなど、クラウドにも似た「許可・拒否の一覧」があります。
-
資格試験
CCNA では設定とトラブル対応の両面で問われ、基本情報技術者試験のセキュリティ分野でも考え方が登場します。
知らないと何が困るか
- 通したい通信まで止めてしまう。ルールの意味を理解せずに設定すると、業務に必要な通信が突然つながらなくなります。
- 守れているつもりで穴が残る。許可の範囲が広すぎたまま運用すると、守っているつもりでも誰でも通れる状態になりかねません。
- 設定を見ても何をしているか読めない。引き継いだ機器の設定に ACL があっても、読めなければ障害対応や見直しができません。
上のツールで送信元IPを選んで、ルールがどのように判定されるかを確かめてみてください。
④ ありがちな失敗と直し方
ACLで「思った通りに通らない/全部落ちる」ときは、だいたいこの3つのどれかです。
- 1
全deny(広い拒否)を上に置いて、全部落ちる
「deny any」やそれに近い広い拒否行を先頭に置くと、それより下の permit 行には永遠に順番が回ってきません。最初に一致した行で確定するため、広い行ほど後ろに置くのが鉄則です(②の「わざと失敗」で体験できます)。
- 2
自分自身を締め出す(リモート先のACLは要注意)
ルータにSSH/Telnetでリモート接続している状態でACLを適用すると、自分の通信までdenyに巻き込んでしまい、自分から二度と入れなくなることがあります。適用前に自分の送信元IPをpermitする行があるか必ず確認し、可能ならコンソール接続や「reload in 5」(一定時間後に自動で設定を戻す)を保険にします。
- 3
暗黙のdenyを忘れて「permitを書いたのに他が全部落ちた」
ACLの末尾には、目に見えない暗黙の「deny any any」が必ず存在します。許可したい通信をすべて書いたつもりでも、書き漏らした宛先やプロトコルは自動的に拒否されます。「今まで通ってた通信が急に止まった」の多くは、この書き漏らしが原因です。
standard と extended、何が違う?
standard ACL は送信元アドレスだけで判定するシンプルな形。extended ACL は送信元に加えて宛先アドレス・プロトコル(TCP/UDP等)・ポート番号まで条件にできる、より細かい形です。このページの例は考え方を掴むための standard 形式ですが、実務では宛先やポートまで絞れる extended が使われることが多いです。
🔒 判定はすべてあなたのブラウザの中(純JavaScript)で完結します。入力した送信元IPやルールはサーバへ送られません(送信ゼロ)。CCNA『Security Fundamentals』範囲の考え方を、実機なしで確かめるための学習用シミュレーションです。
📘 CCNA ではここが問われる(200-301 v1.1・Security Fundamentals)
- 標準 ACL は送信元 IP だけで判定(番号 1〜99・1300〜1999)。拡張 ACL はプロトコル・送信元・宛先・ポート番号まで見る(番号 100〜199・2000〜2699)。名前付き ACL も同じ種類を名前で作れます
- 上から順に評価し、最初に一致した行で確定。どれにも一致しなければ末尾の見えない暗黙の deny で拒否されます
- 置き場所の目安:標準 ACL は宛先に近いところ、拡張 ACL は送信元に近いところ
- ワイルドカードマスクは 0 が「一致させる」・1 が「何でもよい」(192.168.1.0 0.0.0.255)。
hostは 1 台、anyは全部 - 設定:
access-list 10 permit 192.168.1.0 0.0.0.255、名前付きはip access-list extended NAME。インターフェースにはip access-group NAME in(またはout)で適用。1つのインターフェースの1方向に付けられるのは IPv4 の ACL 1つです - 確認:
show access-lists・show ip interface。リモートログインの制限は VTY ラインのaccess-class
ワイルドカードの元になる数の読み方は サブネット で。NAT と併用する場合は NAT、VLAN 間の通信を絞る場面は VLAN。機器側の守りは ポートセキュリティ で。
たとえると
ビルの入口にいる警備員が持つ「通してよい人・だめな人のリスト」です。来た人を上の行から順に見て、最初に当てはまった行の指示(通す/止める)に従い、リストのどこにも載っていなければ最後の決まりで追い返します。リストを書く順番を間違えると、通したい人まで止めてしまいます。
このツールは、ネットワーク全体図のここ
- 自分の端末
- 家・会社の中
- 出入口
- 建物の外
- 相手のサーバー
- データセンター
- 見る・動かす
建物の出入口(ルーター)— ルーターの出入口で、通してよい通信かを検問する話です。
建物の出入口は、会社の受付と郵便の仕分け係のような場所です。OSI では第3層(ネットワーク)・第4層(トランスポート)。
このツールについて
ACL(アクセスコントロールリスト)は、上から順に1行ずつ読まれ、最初に当てはまった行で判定が確定します。どの行にも当てはまらなければ、最後に見えない「暗黙のdeny(すべて拒否)」が働きます。この3原則を、実際にパケットを流しながら目で確かめられます。入力はこの端末から一切出ません(送信ゼロ)。
ACLは上から順・最初の一致で確定・最後は暗黙のdeny。順番を入れ替えると同じパケットでも結果が変わるのが見える。ワイルドカード変換機つき。
🔰 かんたんに言うと
入口の警備員のチェックリストです。上から順に照合して、最初に当てはまったルールで「通す/止める」が決まります。
主な機能
- テストパケットを流すと行が順に光り一致行で確定
- どれにも当たらなければ「暗黙のdeny」が光る
- 行の順番入れ替えで結果が変わる体験(狭い条件ほど上の鉄則)
- サブネットマスク⇄ワイルドカードの相互変換計算機
- 自分を締め出す・全deny等ありがち失敗
- standard/extendedの違いの一言・送信ゼロ
よくある質問
Q. ACL(アクセスコントロールリスト)とは?
A. ルータやファイアウォールで、通信を通すか止めるかを条件のリストで決める仕組みです。上から順に1行ずつ評価し、最初に一致した行で確定します。
Q. 「暗黙のdeny」とは何ですか?
A. ACLの末尾には目に見えない「すべて拒否」が必ず存在し、どの行にも当てはまらなかった通信はすべて拒否されます。permitを1行も書かないと全部落ちるのはこのためです。
Q. なぜ順番を間違えると結果が変わるのですか?
A. 最初に一致した行で確定するため、広い条件を先に置くと、後ろの狭い条件は永遠に評価されません。「狭い条件ほど上に」が鉄則です。
Q. ワイルドカードマスクとサブネットマスクの違いは?
A. ビットの意味が逆です。サブネットマスクは1=ネットワーク部、ワイルドカードは0=一致必須・1=何でもよい。255.255.255.0⇄0.0.0.255のように反転の関係です。
Q. standard ACLとextended ACLの違いは?
A. standardは送信元アドレスだけで判定します。extendedは宛先アドレス・プロトコル・ポート番号まで条件にできます。
Q. 自分自身を締め出す事故とは?
A. リモート接続中のルータにACLを適用すると、自分の通信もdenyに巻き込まれて再接続できなくなることがあります。適用前に自分のIPを許可する行があるか確認します。
Q. 入力したIPやルールは送信されますか?
A. されません。判定はすべてブラウザ内で完結します(送信ゼロ)。
入力値はURLの「#」以降に入るためサーバーには送信されません。リンクを開くと同じ状態を復元します。
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