そのURL、本当に正しい?──偽サイトが使う4つの見た目トリック
偽サイトのURLは似た文字への置き換え・サブドメイン偽装・ハイフン追加・別TLDの4パターンに集約できます。実例(example系)で見分け方の手順を整理し、フィッシング詐欺への対策を解説します。
「アカウントに問題があります」というメールのリンクをクリックする直前、なんとなくURLバーに目をやったら、いつも使っているサイトと少しだけ違う文字列が並んでいた。よく見ないと気づかないくらいそっくりで、一瞬「本物かも」と手が止まってしまう。あの違和感の正体を、パターンとして知っているだけで見抜きやすさは大きく変わります。
結論を先に書きます。
偽サイトのURLトリックは、突き詰めると「似た文字への置き換え」「サブドメイン偽装」「ハイフン追加」「別TLD」の4パターンに集約できます。 どれも本物のドメイン名を目に焼き付けておき、リンクの実際の文字列を1文字ずつ照合する習慣があれば見抜けるものです。
パターン1:似た文字への置き換え
アルファベットの中には、見た目がそっくりな文字の組み合わせがいくつもあります。
- 小文字の
rn(アール・エヌ)を並べると、フォントによってはmにそっくりに見える - 数字の
0(ゼロ)とアルファベットのo(オー) - 大文字の
I(アイ)と小文字のl(エル)、数字の1
たとえば正しいドメインがexample.comだとすると、exarnple.com(mをrnに置き換え)のような偽物が作れてしまいます。ぱっと見のフォントによっては、URLバーで並べても気づきにくいのが厄介なところです。
パターン2:サブドメイン偽装
「本物のドメイン名がURLのどこかに含まれていれば安心」と思い込んでいると引っかかるのが、このパターンです。
正規のドメインがexample.comだとして、偽サイトはexample.com.evil-domain.netのようなURLを使うことがあります。人間の目は先頭のexample.comという見慣れた文字列に安心してしまいがちですが、**ドメインの持ち主を決めるのは一番右側のかたまり(この場合はevil-domain.net)**です。example.comの部分は、単なる「サブドメイン」という自由に名乗れる飾りにすぎません。
パターン3・4:ハイフン追加と別TLD
残る2つのパターンは、どちらもドメインの見た目に「もっともらしい飾り」を足す手口です。
パターン3:ハイフン追加は、正規のドメインに単語を足してハイフンでつなぎます。
example.com→example-support.comexample.com→example-login.net
「サポート」「ログイン」「確認」といったもっともらしい単語を付け加えることで、本物の関連サービスのように見せかけます。ハイフンの有無や後ろに続く単語まで、注意深く読まないと見過ごしてしまいます。
**パターン4:別TLD(トップレベルドメイン)**は、ドメインの末尾(.comや.jpなどのTLD)だけを差し替えるパターンです。
| 正規 | 偽サイトの例 |
|---|---|
example.com | example.cm(.comではなく.cm) |
example.co.jp | example.jp(.co.jpではなく.jp) |
.comと.cmのように、1文字違いでまったく別の国・組織が管理するドメインになりすます手口です。見た目の印象だけで判断せず、末尾まで1文字ずつ確認する必要があります。
見抜くための手順
4パターンに共通する対策は、URLを「なんとなく眺める」のではなく「区切って読む」ことです。
- まず一番右側のドメイン部分(TLDの手前のかたまり)だけを取り出す
- それが自分の知っている正規のドメインと完全に一致するかを確認する
- 一致しなければ、どんなに見た目がそれっぽくても偽サイトと判断する
- リンクは直接クリックせず、普段使っているブックマークや検索から入り直す
この手順さえ習慣にしておけば、4パターンのどれに当てはまっていても機械的に見抜けます。実際に怪しいと感じたURLを目視で分解してみたいときは、フィッシングURLを見抜くを整える にURLを入れると、ドメインの構造や気になるポイントをその場で確認できます。メールのリンクをクリックする前に、一度立ち止まってURLを分解する癖をつけておきましょう。