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雑学・読み物

神社が一番多い県は新潟、寺は愛知──宗教法人の数え方と人口当たりで順位はどう変わるか

文化庁の宗教統計調査(令和7年度)で神社が最も多いのは新潟県の4,657社、寺院は愛知県の4,506寺です。何を数えた数字なのか、人口10万人当たりにすると順位がどう動くのか、神社と寺院の比が県でどう違うのかを、分母にした人口の年を明記して表で整理します。

この記事のポイント

  • 神社は新潟県の4,657社、寺院は愛知県の4,506寺が全国1位
  • 神社は人口10万人当たりで新潟4位、愛知の寺は30位に下がる
  • 「神社とお寺の数を整える」で実数と人口当たりを切り替えて確かめる
Q.
神社が一番多い都道府県はどこ?
A.
令和7年度の宗教統計調査では新潟県が4,657社で最も多く、全国の神社80,570社の約5.8%を占めます。ただし人口10万人当たりにすると、新潟県は高知県・福井県・富山県に次ぐ4位です。実数と人口当たりで順位が変わる点に注意してください。
この記事の作業は、無料のツールでそのままできます(入力は送信されません) 神社とお寺の数を整える 神社が一番多いのは新潟県、お寺は愛知県——宗教統計調査の都道府県ランキング 開く

神社が一番多い県は新潟、寺が一番多い県は愛知です。意外に思う方もいるかもしれませんが、これは文化庁の「宗教統計調査」(令和7年度)の公表値で、新潟県は神社4,657社、愛知県は寺院4,506寺でそれぞれ全国1位です。

ただし、この順位は「何を数えたか」と「何で割るか」で入れ替わります。この記事では、数の出どころ、実数のランキング、人口10万人当たりにしたときの順位、読むときの注意点を、数字だけで整理します。多い理由や信仰の強さについては、統計から言えないので書きません。

結論:実数では新潟の神社、愛知の寺が1位

令和7年度の宗教統計調査(2024年12月31日現在)による、全国の神社は80,570社、寺院は76,390寺です。都道府県別の上位5つは次のとおりです。

順位神社の多い県神社数寺院の多い県寺院数
1新潟県4,657愛知県4,506
2兵庫県3,858大阪府3,350
3福岡県3,403兵庫県3,283
4愛知県3,351滋賀県3,192
5岐阜県3,259京都府3,043

新潟県の神社は全国の約5.8%(4,657÷80,570)、愛知県の寺院は全国の約5.9%(4,506÷76,390)です。1位でも全国の6%に届かず、数はかなり散らばっています。

数えているのは「宗教団体」の報告数

この統計は昭和24年から続く調査で、各宗教団体からの報告をもとに集計した団体数です。令和7年度の全国の宗教団体は210,007団体で、その内訳は次のとおりです。

区分団体数全体に占める割合
神社80,570約38.4%
寺院76,390約36.4%
教会27,965約13.3%
布教所17,441約8.3%
その他7,641約3.6%
合計210,007100%

この合計のうち、宗教法人は178,150法人で、団体全体の約84.8%です。つまり、ここでいう「神社の数」は、街角で目にする鳥居や祠の数ではなく、調査に報告された神社という宗教団体の数です。境内にある小さな社や、地域で管理されている祠がどこまで入るかは、報告のしかたに左右されます。この表は、報告された団体数の目安として読むのが正確です。

神社と寺院の数は、全国でほぼ同じ規模です。神社80,570に対して寺院76,390で、差は4,180。都道府県別に見ると、神社のほうが多い県は30、寺院のほうが多い県は17です。

人口10万人当たりにすると順位が動く

実数は人口の多い県ほど大きくなりやすいので、人口10万人当たりでも並べてみます。分母は2020年の国勢調査の人口です。宗教統計は2024年12月31日現在なので、時点が4年ほど違う点は先に断っておきます。

全国平均は、神社が10万人当たり約63.9社、寺院が約60.6寺です。

順位神社(10万人当たり)寺院(10万人当たり)
1高知県 310.3滋賀県 225.8
2福井県 222.5福井県 217.1
3富山県 218.8島根県 191.0
4新潟県 211.6山梨県 183.1
5大分県 187.7和歌山県 170.0

実数1位の新潟県は、神社を人口当たりにしても4位に残ります(4,657÷2,201,272人×10万)。一方、寺院の実数1位の愛知県は、10万人当たりでは約59.7寺で30位まで下がり、全国平均の約60.6寺をわずかに下回ります。愛知県は人口が約754万人と多いので、数が多くても人口当たりでは上位に出てきません。

逆に、人口当たりで1位の高知県は、神社の実数では2,146社で全国の約2.7%にすぎません。実数の1位と人口当たりの1位は、別の県になるのが普通です。

神社と寺院の比は県で大きく違う

同じ県の神社と寺院を並べると、全国の平均的な姿とは違う県が見えてきます。

県神社寺院比(多いほう÷少ないほう)
新潟県4,6572,730神社が約1.7倍
愛知県3,3514,506寺院が約1.3倍
滋賀県1,4413,192寺院が約2.2倍
京都府1,7603,043寺院が約1.7倍
福井県1,7061,665ほぼ同数
高知県2,146367神社が約5.8倍

神社の1位の新潟県は、寺院も2,730寺あり、寺院の数では全国8位です。つまり新潟県は神社が突出して多い県であり、寺院が少ない県ではありません。いっぽう高知県は、神社2,146に対して寺院が367と少なく、神社が寺院の約5.8倍です。福井県のように、2つがほぼ同数の県もあります。

「神社が多い県」と「寺院が多い県」は、実数でも人口当たりでも、一致しないことがほとんどです。ランキングを見るときは、神社と寺院を一緒に論じず、指標ごとに分けて読みます。

大都市は人口当たりで低くなる

人口当たりで見ると、神社の少なさがはっきり出るのは大都市圏です。10万人当たりの神社は、東京都が約10.4社(45位)、大阪府が約8.4社(46位)で、47都道府県の最下位は沖縄県の約1.0社(14社)です。

ただし、これは分母の人口が大きいことの影響を強く受けています。東京都の神社は1,457社で、実数では全国で上位ではありませんが、ゼロに近いわけでもありません。人口の多い地域では、実数が同じでも人口当たりは小さく出ます。

読むときの3つの注意

  1. 実数と人口当たりを混ぜない。 「1位」と書かれていたら、どちらの順位かを必ず確かめます。
  2. 分母の年を確かめる。 この記事の人口当たりは、2020年の国勢調査の人口を使っています。2025年の人口に置き換えると、小数点以下の値や、僅差の順位は変わりえます。
  3. 理由は統計から読めない。 神社が多い、寺院が多いという事実は数字から言えますが、その背景の説明は、別の資料が必要です。

都道府県の数を並べ替えて確かめる

「神社とお寺の数を整える」では、神社・寺院・教会・宗教団体の合計の4つの指標を、実数と人口10万人当たりの両方で並べ替えられます。気になる県の実数、全国に占める割合、人口当たりの順位を、同じ画面で見比べてください。出典は文化庁「宗教統計調査」令和7年度、人口は国勢調査2020年です。

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