こんにゃくいもの9割超は群馬県産──1県に集中する作物と散らばる作物
令和6年産のこんにゃくいもは収穫量51,400トンのうち群馬県が49,700トンで96.7%。小豆の北海道、らっかせいの千葉県も1県に集中する一方、米は新潟県でも7.9%です。1位のシェアで作物を並べると、産地の集まり方の違いが見えてきます。
この記事のポイント
- 令和6年産のこんにゃくいもは群馬県が49,700トンで全国の96.7%
- 秘匿の県があり、県の合計は全国値と一致しない場合がある
- 「農産物の生産量を整える」で品目ごとの1位のシェアを確かめられる
- Q.
- こんにゃくいもの収穫量が日本一の県はどこ?
- A.
- 群馬県です。令和6年産の収穫量は49,700トンで、全国51,400トンの96.7%を占めます。2位の茨城県は637トンで、約78倍の差があります。
スーパーで売られているこんにゃくの原料、こんにゃくいもは、ほぼ1つの県でつくられています。
結論を先に書きます。
令和6年産のこんにゃくいもの収穫量は全国で51,400トン、そのうち群馬県が49,700トンで、全国の96.7%を占めます。 2位の茨城県は637トンで、群馬県はその約78倍です。作物によって、1位の県のシェアは9割を超えるものから1割に満たないものまで大きく開いていて、このシェアの大きさを並べると、作物の産地の性格が見えてきます。
こんにゃくいもの上位5県
数字は農林水産省の作物統計調査(作況調査)の令和6年産(2024年)の収穫量です。当サイトの 農産物の生産量を整える が保持している公表値(e-Stat 統計表ID 000040286497)から、全国に占める割合を計算しました。
| 順位 | 都道府県 | 収穫量 | 全国に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 1 | 群馬県 | 49,700トン | 96.7% |
| 2 | 茨城県 | 637トン | 1.2% |
| 3 | 栃木県 | 401トン | 0.8% |
| 4 | 広島県 | 198トン | 0.4% |
| 5 | 長野県 | 84トン | 0.2% |
上位5県の割合を足すと99.3%になり、群馬県以外の4県を全部合わせても1,320トンで、全国の約2.6%です。群馬県ひとつで、残りの全部を大きく引き離しています。
「全国」と県の合計がずれる理由
この表では、全国の51,400トンから群馬県の49,700トンを引くと1,700トンが残ります。ところが、他の県を足していくと、そこまで届きません。
理由は、統計上の秘匿です。令和6年産のこんにゃくいもでは、北海道と和歌山県の値が公表されていません。公表されている県の合計は51,383トンで、全国値の51,400トンとは17トンの差があります。この17トンの差には、秘匿となった2道県の分や、公表値の丸めによるずれが含まれます。
こうした扱いの統計では、次の点に気をつけます。
- 全国値は公表値をそのまま使い、県の値を足し直して全国値にしない
- 秘匿の県は「0トン」ではなく「公表されていない」と読む
- 割合は、県の値を全国値で割る(群馬県なら49,700÷51,400)
また、こんにゃくいもの収穫量があるのは、公表値が0トンでない県で数えると35県です。ただし、そのうち群馬県以外はすべて1,000トン未満で、収穫量の面では群馬県が圧倒しています。
1位のシェアで作物を並べる
次に、他の作物で同じ割り算をして並べます。ここでは、こんにゃくいもと同じ令和6年産の2品目と、全国の生産量が大きい米(令和7年産)を使います。
| 作物 | 1位の県 | 1位の収穫量 | 全国 | 1位のシェア |
|---|---|---|---|---|
| 小豆(令和6年産) | 北海道 | 45,300トン | 46,700トン | 97.0% |
| こんにゃくいも(令和6年産) | 群馬県 | 49,700トン | 51,400トン | 96.7% |
| らっかせい(令和6年産) | 千葉県 | 12,800トン | 14,800トン | 86.5% |
| 米(令和7年産) | 新潟県 | 570,200トン | 7,181,000トン | 7.9% |
小豆は北海道が全国の97.0%で、こんにゃくいもとほぼ同じ水準です。らっかせいも千葉県が86.5%で、2位の茨城県(1,180トン、8.0%)と合わせると約94.5%になります。
一方、米は日本一の新潟県でも7.9%です。2位の北海道は6.9%、3位の秋田県は6.3%で、上位の県の差は小さく、47都道府県のすべてが収穫量を持っています。同じ「日本一」という言葉でも、こんにゃくいもの日本一と米の日本一では、意味がまるで違います。
2位以下を見ると、集中の形が違う
1位のシェアが同じくらい高くても、2位以下の様子は作物ごとに違います。令和6年産の上位を並べます。
| 作物 | 1位 | 2位 | 3位 |
|---|---|---|---|
| こんにゃくいも | 群馬県 49,700トン | 茨城県 637トン | 栃木県 401トン |
| 小豆 | 北海道 45,300トン | 兵庫県 101トン | 群馬県 95トン |
| らっかせい | 千葉県 12,800トン | 茨城県 1,180トン | 神奈川県 231トン |
小豆は、2位の兵庫県でも101トンで、全国の0.2%です。1位の北海道から2位までの差は約450倍で、2位以下は横一線に近い状態です。らっかせいは、千葉県が12,800トン、茨城県が1,180トンと、上位2県で全国の9割を超えます。こんにゃくいもは、2位の茨城県でも1.2%で、小豆に近い形です。
なお、らっかせいも秘匿の県があり、青森県と山形県の値は公表されていません。作物ごとに秘匿の県が違うので、順位表を見るときは「公表されていない県がないか」を確かめる習慣をつけると、誤読を防げます。
米の数字は「主食用の水陸稲の収穫量」を「生産者ふるい上米」のベースで集計したもので、令和7年産です。こんにゃくいもなどと年産が違うため、この表のシェアは「どれだけ集中しているかの目安」として並べているだけで、年産をそろえた厳密な比較ではありません。
1位のシェアが大きい作物を、どう読むか
シェアが9割を超える作物には、読むうえで共通の注意があります。
- 数字は年ごとに変わる。 この記事の値は令和6年産の1年分です。他の年のシェアは、ここでは確かめていません。
- 全国の量そのものが小さい。 こんにゃくいもは5万トン台、小豆は4万トン台です。米の7,181,000トンの1%にも届きません。量が少ない作物ほど、1つの県が占める割合は大きくなりやすい面があります。
- 理由は統計からは分からない。 1つの県に集中している理由は、この統計には載っていません。栽培の事情を知りたいときは、農林水産省や産地の自治体の資料を別に当たる必要があります。
数字を自分で確かめる
シェアは、県の収穫量を全国値で割って、百分率にするだけで出ます。
- 群馬県のこんにゃくいも: 49,700÷51,400=0.967、つまり96.7%
- 新潟県の米: 570,200÷7,181,000=0.079、つまり7.9%
電卓で確かめられます。この方法で、気になる作物の1位のシェアを自分で計算してみてください。
まとめ
令和6年産のこんにゃくいもは、全国51,400トンのうち群馬県が49,700トンで96.7%です。小豆の北海道(97.0%)、らっかせいの千葉県(86.5%)も1県に集中していて、米の新潟県(7.9%)とは対照的です。
84品目の1位の県と47都道府県の順位・シェアは、 農産物の生産量を整える で一覧できます。秘匿の県は0ではなく「公表されていない」と表示されます。気になる作物の、1位のシェアも確かめてみてください。