温泉の源泉数1位の県は?──源泉数と宿泊施設数で順位が変わる
温泉の源泉総数が全国でいちばん多いのは大分県の5,094か所で、宿泊施設数は静岡県の2,397施設がトップです。環境省の令和6年度(令和7年3月末現在)の統計で、源泉・温泉地・宿泊施設・公衆浴場の1位が県ごとに違う理由と、読み方をまとめます。
この記事のポイント
- 源泉総数は大分県が5,094か所で1位、全国27,899か所の約18.3%
- 宿泊施設数の1位は静岡県の2,397施設。源泉の1位とは別の県
- 「温泉を整える」で源泉・温泉地・宿泊施設の県別の順位を見られる
- Q.
- 温泉の源泉数が日本一多い県はどこ?
- A.
- 令和6年度(令和7年3月末現在)の源泉総数は、大分県が5,094か所で全国1位です。全国の源泉総数27,899か所の約18.3%にあたります。宿泊施設数や温泉地数で見ると、1位は別の県になります。
「温泉の数が日本一多い県は?」と聞かれたとき、大分県と答える人も、北海道や静岡県と答える人もいます。実は、どの数字で比べるかによって、1位の県が変わります。
結論を先に書きます。
令和6年度(令和7年3月末現在)の源泉総数は、大分県が5,094か所で全国1位です。全国の源泉総数27,899か所の約18.3%を1つの県が占めています。 一方、宿泊施設の数は静岡県が2,397施設で1位、温泉地の数は北海道が226か所で1位、温泉を使う公衆浴場の数は長野県が718施設で1位です。
出典は環境省「温泉利用状況」(令和6年度・令和7年3月末現在。当サイトが使っている年度)です。
源泉・温泉地・宿泊施設は別の数字
温泉の「数」には、少なくとも次の4種類があります。環境省の統計では、それぞれを別の項目として集計しています。
| 項目 | 意味 | 全国の数(令和6年度) |
|---|---|---|
| 温泉地数 | 宿泊施設のある温泉の場所を数えた数 | 2,839か所 |
| 源泉総数 | 利用している源泉と、利用していない源泉の合計 | 27,899か所 |
| 宿泊施設数 | 温泉を利用している宿泊施設の数 | 13,425施設 |
| 公衆浴場数 | 温泉を利用している公衆浴場の数 | 7,721施設 |
温泉法では、地中から湧き出る温水・鉱水・水蒸気などのうち、温泉源から採取するときの温度が摂氏25度以上、または規定の物質のどれか1つが一定量以上あるものを温泉と定めています(環境省の説明)。源泉は、この温泉が湧き出ている(またはくみ上げている)元の数です。
温泉地数は「宿泊施設のある場所」だけを数えるため、宿泊施設のない温泉は入りません。この点は環境省の表にも注として書かれています。
項目ごとの1位は県が違う
令和6年度の数字で、項目ごとの上位の県を並べます。
| 項目 | 1位 | 2位 | 3位 |
|---|---|---|---|
| 源泉総数 | 大分県 5,094 | 鹿児島県 2,735 | 北海道 2,249 |
| 宿泊施設数 | 静岡県 2,397 | 長野県 998 | 大分県 914 |
| 温泉地数 | 北海道 226 | 長野県 193 | 新潟県 135 |
| 公衆浴場数 | 長野県 718 | 静岡県 535 | 鹿児島県 485 |
源泉の1位は大分県ですが、宿泊施設では3位に下がります。宿泊施設の1位は静岡県で、源泉総数は4位(2,185か所)です。温泉地の数では北海道が1位です。
「温泉の県」という印象は、どの数字を物差しにするかで変わります。観光で泊まる温泉の多さなら静岡県や長野県、湧き出ている源泉そのものの多さなら大分県、というふうに言い分けると正確です。
大分県の源泉はどれくらい突出しているか
大分県の源泉総数5,094か所は、2位の鹿児島県2,735か所の約1.9倍です。上位4県(大分・鹿児島・北海道・静岡)の源泉を足すと12,263か所で、全国の約44.0%になります。
湧出量(毎分のリットル)でも、大分県は293,610 L/分で全国1位です。全国の湧出量は2,477,713 L/分なので、大分県1県で約11.9%を占めています。
数のシェアは約18.3%、湧出量のシェアは約11.9%で、同じ割合にはなりません。数と量は別の物差しです。
宿泊施設は静岡県が2,397施設
宿泊施設数の1位は静岡県の2,397施設で、全国の13,425施設の約17.9%です。2位の長野県998施設の約2.4倍あります。
年度延宿泊利用人員(温泉を利用する宿泊施設に泊まった延べ人数)は、北海道が13,579,988人で1位、静岡県が10,576,818人で2位です。この人数は環境省の表で参考数値とされているため、順位は目安にとどめてください。
主な県の数字を並べる
| 県 | 源泉総数 | 宿泊施設数 | 温泉地数 | 公衆浴場数 |
|---|---|---|---|---|
| 大分県 | 5,094 | 914 | 63 | 392 |
| 静岡県 | 2,185 | 2,397 | 118 | 535 |
| 北海道 | 2,249 | 740 | 226 | 437 |
| 長野県 | 955 | 998 | 193 | 718 |
| 鹿児島県 | 2,735 | 311 | 87 | 485 |
(環境省「温泉利用状況」令和6年度・令和7年3月末現在)
鹿児島県は源泉が2位ですが、宿泊施設数は311施設にとどまります。源泉が多い県と、温泉宿が多い県は必ずしも重なりません。
反対に、源泉総数がもっとも少ないのは沖縄県の22か所、宿泊施設数がもっとも少ないのも沖縄県の19施設です。
数字の読み方で気をつけること
- 年度と時点をそろえる。 令和6年度は令和7年3月末現在の数字です。年度の違う数字を混ぜると、増減を誤読します。
- 「温泉地」と「温泉街」は同じではない。 温泉地数は、宿泊施設のある場所を計上した数です。
- 源泉の数は、温泉の質や規模を表さない。 数が多くても、1つ1つの湧出量や温度は別の数字です。
- 全国の数は少しずつ動く。 令和6年度の源泉総数は27,899か所で、前年度の27,920か所より21か所減りました。宿泊施設は13,179施設から13,425施設へ246施設増えています。
長い目で見ると、宿泊施設数は昭和32年度の7,556施設から令和6年度の13,425施設へ、約1.8倍になっています。
県ごとの順位を確かめる
「温泉を整える」では、環境省「温泉利用状況」の令和6年度の数字を、47都道府県で一覧にしています。温泉地数・源泉総数・湧出量・宿泊施設数・年度延宿泊利用人員・公衆浴場数を、列見出しで並べ替えられます。県ごとのページには、前年度との差と全国の順位が載っています。
自分の県の温泉は、何の数字で何位なのか。1位の県の数字と並べて見てみると、順位の見え方が変わります。
まとめ
- 源泉総数の1位は大分県の5,094か所で、全国27,899か所の約18.3%
- 宿泊施設数の1位は静岡県の2,397施設、温泉地数の1位は北海道の226か所
- 公衆浴場数の1位は長野県の718施設
- 源泉と宿泊施設では、順位が県ごとに入れ替わる
- 令和6年度の数字は令和7年3月末現在。年度をそろえて比べる