島の数は長崎県が1位、北海道とは僅差──「島」はどう数えるのか
国土地理院が2023年に公表した日本の島の数は14,125島。都道府県別の1位は長崎県の1,479島で、2位北海道の1,473島とは6島差です。周囲0.1km以上・自然にできた陸地・湖の島は除く、という数え方の約束事を、公式資料の数字で整理します。
この記事のポイント
- 島の数は14,125島で、長崎県1,479島が北海道1,473島を6島差で上回る
- 旧値6,852島とは数え方が違う。島が増えたのではなく数え直した結果
- 県別を足すと14,129で不一致。日本の島を整えるで数え方を確かめる
- Q.
- 日本の島の数は何島で、都道府県別の1位はどこですか?
- A.
- 国土地理院の2023年の公表では14,125島です。都道府県別の1位は長崎県の1,479島で、2位は北海道の1,473島です。周囲0.1km以上の自然にできた陸地を数えた値で、湖の中の島は含まれません。
「日本には島がいくつあるのか」と聞かれて、6,852島と答える人と、14,125島と答える人がいます。どちらも公的機関が出した数字で、間違いではありません。違うのは数えた時代と、数え方の約束です。
結論を先に書きます。国土地理院が2023年2月に公表した日本の島の数は14,125島で、都道府県別の1位は長崎県の1,479島、2位は北海道の1,473島です。 差は6島しかありません。この記事では、順位の表だけでなく、「島」をどう数えたのかを公式資料に沿って整理します。
結論:14,125島、1位は長崎県、2位北海道との差は6島
国土地理院が発表した「我が国の島を数えました」(2023年2月28日)によると、日本の島の数は14,125島です。令和4年(2022年)1月時点の電子国土基本図、つまり2万5千分1地形図のもとになる地図データを使って数えています。
都道府県別では、上位は次のとおりです。
| 順位 | 都道府県 | 島の数 | 全国の14,125島に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 1 | 長崎県 | 1,479島 | 約10.5% |
| 2 | 北海道 | 1,473島 | 約10.4% |
| 3 | 鹿児島県 | 1,256島 | 約8.9% |
| 4 | 岩手県 | 861島 | 約6.1% |
| 5 | 沖縄県 | 691島 | 約4.9% |
| 6 | 宮城県 | 666島 | 約4.7% |
| 7 | 和歌山県 | 655島 | 約4.6% |
| 8 | 東京都 | 635島 | 約4.5% |
1位の長崎県と2位の北海道を足すと2,952島で、全国の約20.9%です。ここに3位の鹿児島県を加えた3県で4,208島、全国の約29.8%になります。つまり日本の島のおよそ3割が、この3道県に集まっています。
長崎県と北海道の差は1,479島と1,473島で6島です。数え方や地図の精度がわずかに変わるだけで、順位が入れ替わっても不思議ではない差です。国土地理院も資料の中で、自然の地形である島は「ある時点での国土の一面を表したもの」であり、地殻変動や測量技術の進歩の影響を受けうると注記しています。
「島」とは何か:国際条約の定義と国土地理院の数え方
「島の定義」と「島の数え方」は別の話として扱われています。
定義のほうは、海洋法に関する国際連合条約の第121条にあります。島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるものです。一方、数え方については国際的な取り決めがありません。そのため国土地理院は、次の3つの条件を置いて数えました。
- 離島振興法や有人国境離島法などの法令等に基づく島は、重複なく数える
- 1のほか、電子国土基本図に描かれた陸地のうち、周囲長0.1km以上の海岸線で囲まれた陸地を数える(令和4年1月時点で、描かれた陸地は全部で120,729)
- 自然に形成されたと判断できる陸地だけを数え、埋立地や、湖沼など内水面にある陸地は対象外とする
条件3の例として、国土地理院の資料は、埋立による陸地の例に八景島、内水面にある陸地の例に洞爺湖の中島を挙げています。空港のように、いまは人工的に見えても、昔の地図で自然の陸地だったと確認できるものは数えます。
周囲0.1km、つまり100mという線は、あくまで数えるための区切りです。国土地理院は、周囲長0.1kmに満たない小さな島を含めると、日本の島は公表値よりも多いと明記しています。14,125という数字は「日本にある島の総数」ではなく、「この条件で数えた島の数」だと読むのが正確です。
旧値6,852島との違いは「島が増えた」ではない
これまで広く使われてきた日本の島の数は、海上保安庁が1987年(昭和62年)に公表した6,852島でした。今回の14,125島は、そこから7,273島多く、およそ2.06倍です。
国土地理院は、この違いを、測量技術の進歩による地図表現の詳細化が大きく影響していると説明しています。海岸線がていねいに描かれるようになると、昔の地図では一つにつながって見えた陸地や、描かれていなかった小さな陸地が、別々の島として数えられるようになります。同院の資料には、昭和58年の地図では周囲0.1km以上の陸地が2か所だった場所が、現在の地図では7か所になる例が載っています。
ですから、古い教科書や本にある6,852島と、最近の資料の14,125島を並べて「島が7,000以上増えた」と読むのは誤りです。島が増えたのではなく、数え直した結果が違う、ということです。引用するときは、数字に加えて「2023年に国土地理院が公表した値」のように、時点と出どころを添えておくと誤解が起きません。
都道府県別の合計が14,125にならない理由
先ほどの表を含む都道府県別の47の数字を単純に足すと、14,129になります。全国値の14,125とは4つずれます。これは計算ミスではなく、数え方の約束によるものです。
- 2府県にまたがる島は、両方の県に数えられている。 国土地理院の一覧では、京都府・兵庫県・福井県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県の欄に、またがる島の数が括弧の内数で示されています。内数の合計は14で、1つの島が2か所に数えられているので、重複は7島分です
- 本州・四国・九州の3島は、都道府県別の数に入っていない。 一覧の末尾に「本州、四国、九州」として3が別に置かれています
14,129から重複の7を引き、本州・四国・九州の3を足すと、14,125になります。都道府県別の数字を足し合わせて全国値を出したいときは、この2つの調整が必要です。
この資料の都道府県別の欄で、島が0と書かれているのは9つです。栃木県・群馬県・埼玉県・山梨県・長野県・岐阜県・滋賀県・奈良県・大阪府です。内陸の県が多い一方、海に面した大阪府も0島です。滋賀県は琵琶湖に沖島などの島がありますが、湖沼の島は数えない条件なので0になります。「海があるかどうか」だけでは、島の数は決まりません。
「数が多い」と「面積が大きい」は別の物差し
島の数のランキングと、島の面積のランキングは、まったく違う顔をしています。国土地理院の「全国都道府県市区町村別面積調」にある島面積の20傑は、1位が本州、2位が北海道、3位が九州、4位が四国で、5位が択捉島、6位が国後島、7位が沖縄島、8位が佐渡島と続きます。本州・北海道・九州・四国も、地理の上では島として並びます。
この20位までを都道府県別に見ると、北海道に属する島(北海道の本島、択捉島、国後島、色丹島)が4つ、鹿児島県に属する島(大島、屋久島、種子島、徳之島)が4つ入っています。長崎県の島で20位以内に入るのは、対馬と福江島の2つです。
| 物差し | 上に来やすい県 | 特徴 |
|---|---|---|
| 島の数 | 長崎県・北海道・鹿児島県 | 小さな島が多数ある県が上位に来る |
| 面積の大きい島 | 北海道・鹿児島県 | 大きな島を持つ県が上位に来る |
長崎県は、数では1位でも、20傑に入る大きな島は2つだけです。小さな島が非常に多い県だということが、2つの順位を並べるとわかります。なお、面積の数値は調査時点ごとに更新されるため、この記事では順位の並びだけを紹介しています。具体的な面積は、国土地理院の最新の面積調で確認してください。
使うときの注意点
島の数を資料や文章に書くときに、迷いやすい点を整理します。
- 「14,125島」は時点つき・条件つきの数字。 令和4年1月時点の電子国土基本図、周囲長0.1km以上、自然に形成された陸地、湖沼は除く、が付いた値です
- 旧値6,852島と混ぜない。 海上保安庁の1987年の値で、数え方も地図の精度も違います
- 都道府県別を足し合わせない。 重複と、本州・四国・九州の扱いで、合計が合いません
- 1位と2位の差が小さい。 長崎県と北海道の差は6島です。「1位は長崎県」と書くときは、2位が僅差であることも添えると、読み手に親切です
- 面積の順位とは別物。 島の数が多いことと、大きな島があることは、結びつきません
都道府県別の島の数と大きい島を一覧で見る
47都道府県の島の数と、面積の大きい島の20傑は、日本の島を整える にまとめてあります。数え方の約束事や、6,852島から14,125島に変わった理由も同じページで確かめられます。出典は国土地理院の公表資料で、数字は公表値のまま、並べ替えと順位づけだけを行っています。
文章や資料に島の数を書くときは、数字だけでなく、いつ・どの条件で数えた値かを一緒に書いておくと、あとから読み返しても誤解が生まれません。
出典
- 国土地理院「我が国の島を数えました」(2023年2月28日発表)と資料1〜3(島の数の計数方法、地図表現の詳細化による計数への影響、島の数一覧)
- 国土地理院「全国都道府県市区町村別面積調」(島面積20傑)