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雑学・読み物

日本一長い川は信濃川、流域面積1位は利根川──長さと広さで順位が変わる

国土交通省の河川データブック2025によると、一級水系109のうち最も長いのは信濃川の367km、流域面積が最も広いのは利根川の16,840km²です。長さ(幹川流路延長)と流域面積という2つの物差しで、順位が入れ替わる理由を表で整理します。

この記事のポイント

  • 長さ1位は信濃川367km、流域面積1位は利根川16,840km²で別の川
  • 長さは本流だけ、流域面積は支流を含む。どちらの順位かを必ず確かめる
  • 一級水系109の順位は日本の川を整えるで長さ・流域面積とも確かめられる
Q.
日本で一番長い川と、流域面積が一番広い川は、どこですか?
A.
一番長い川は信濃川で、長さ(幹川流路延長)は367kmです。流域面積が一番広い川は利根川で、16,840km²あります。国土交通省の河川データブック2025にある一級水系109の値で、長さと広さという別の物差しなので、1位が異なります。
この記事の作業は、無料のツールでそのままできます(入力は送信されません) 日本の川を整える 長さ1位は信濃川、流域面積1位は利根川——ものさしで変わる川ランキング 開く

「日本一長い川は信濃川」と習った人は多いはずです。ところが、「日本一広い流域を持つ川は」と聞かれると、答えは利根川に変わります。同じ「日本一の川」でも、何を物差しにするかで1位が入れ替わります。

結論を先に書きます。国土交通省の「河川データブック2025」(令和6年4月30日現在)では、一級水系109のうち、長さが最も長いのは信濃川の367km、流域面積が最も広いのは利根川の16,840km²です。 長さの2位は利根川(322km)、流域面積の2位は石狩川(14,330km²)で、信濃川は流域面積では3位(11,900km²)です。この記事では、長さと流域面積の定義、上位の川の比較、順位が入れ替わる理由を整理します。

2つの物差し:幹川流路延長と流域面積

川の「大きさ」を表す数字には、主に2つあります。

物差し意味何が数えられるか
長さ(幹川流路延長)本流(幹川)の長さ支流は含まない
流域面積降った雨がその川に集まる範囲の広さ支流の流域も含む

長さは、川の本流だけを測った数字です。支流をどれだけ持っていても、長さには足されません。流域面積は、その川に水が流れ込む範囲全体の広さで、すべての支流の流域を含みます。

河川データブックの対象は、国が管理する一級水系109です。都道府県が管理する二級水系は含まれません。また、順位は川単位ではなく、本流と支流をまとめた「水系」単位で付けられています。たとえば利根川水系の数字は、利根川の本流の長さと、渡良瀬川や鬼怒川などの支流を含めた流域の広さです。

長さの上位:信濃川が367kmで1位

長さ(幹川流路延長)の上位6水系と、流域面積の順位を並べます。

長さの順位水系長さ流域面積流域面積の順位
1信濃川367km11,900km²3位
2利根川322km16,840km²1位
3石狩川268km14,330km²2位
4天塩川256km5,590km²10位
5北上川249km10,150km²4位
6阿武隈川239km5,400km²11位

1位の信濃川は、2位の利根川より45km長く、約1.14倍です。信濃川の流域は群馬県・新潟県・長野県にまたがります。長野県内では千曲川と呼ばれ、新潟県に入ると信濃川と呼ばれる、同じ川です。

流域面積の上位:利根川が16,840km²で1位

次に、流域面積の上位6水系を並べます。

流域面積の順位水系流域面積長さ
1利根川16,840km²322km
2石狩川14,330km²268km
3信濃川11,900km²367km
4北上川10,150km²249km
5木曾川9,100km²229km
6十勝川9,010km²156km

利根川の流域面積は、信濃川より4,940km²広く、約1.42倍です。利根川の流域には、茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・長野県の7つの都県が含まれます。関東平野の広さが、そのまま流域面積の順位に表れています。

長さでは信濃川が利根川を上回り、広さでは利根川が信濃川を上回る。上位3水系(信濃川・利根川・石狩川)は、長さでも流域面積でも3位以内に入っていますが、順位の並びは違います。

順位が大きく入れ替わる川

上位3水系以外では、長さの順位と流域面積の順位の差が、さらに大きくなります。

水系長さ(順位)流域面積(順位)
天塩川256km(4位)5,590km²(10位)
十勝川156km(17位)9,010km²(6位)
淀川75km(67位)8,240km²(7位)

淀川は、本流の長さが75kmで、109水系のうち67位です。信濃川の367kmと比べると、約4.9分の1にすぎません。それなのに流域面積は8,240km²で7位に入ります。淀川の流域には、三重県・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県の6府県が含まれています。本流は短くても、支流や流域が広く広がっているため、流域面積では上位に来ます。

反対に天塩川は、本流が256kmと長い一方で、流域面積は5,590km²です。長さは4位でも、流域面積は10位にとどまります。本流が長くても、流域が広いとは限りません。

200km以上の川、1万km²以上の流域

2つの物差しで、区切りのよい数字も見ておきます。

条件該当する水系数
長さが200km以上信濃川、利根川、石狩川、天塩川、北上川、阿武隈川、最上川、木曾川、天竜川、阿賀野川10水系
流域面積が10,000km²以上利根川、石狩川、信濃川、北上川4水系

一級水系109のうち、本流が200kmを超えるのは10水系だけで、100km未満の水系は57あります。流域面積が10,000km²を超えるのは、4水系だけです。長い川や広い流域を持つ川は、109水系のうちのごく一部に限られます。

数字を引用するときの注意点

川の順位を資料や文章に書くとき、迷いやすい点を整理します。

  • 「日本一」の前に、物差しを書く。 「日本一長い川は信濃川、流域面積が日本一の川は利根川」と、2つを分けて書きます。「日本一の川」とだけ書くと、どちらを指すのかわからなくなります
  • 対象は一級水系109。 二級水系を含めた全国の川の順位ではありません
  • 時点を添える。 数字は、令和6年4月30日現在の河川データブック2025の値です。川の長さは、測り方の見直しなどで、あとから変わることがあります
  • 本流の長さと水系全体を混同しない。 長さに支流は含まれませんが、流域面積には含まれます

川の順位を一覧で確かめる

一級水系109の長さと流域面積、流域の都道府県は、日本の川を整える で一覧できます。長さの順位に、流域面積の順位も並べて表示されるので、長さと広さで順位が入れ替わる川を、自分で探すこともできます。数字は国土交通省の公表値のままで、並べ替えと順位づけだけを行っています。

川の「日本一」を調べるときは、長さと流域面積のどちらの順位なのかを、最初に確かめておくと、誤りを防げます。

出典

  • 国土交通省 水管理・国土保全局「河川データブック2025」4-1-4 一級河川の概要(令和6年4月30日現在)

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