紅葉の見頃はいつ?──かえで・いちょうの紅葉日の平年値と地域差
かえでの紅葉日の平年値は、釧路の10月16日から鹿児島の12月15日まで60日の幅があります。気象庁の観測にもとづく1991〜2020年の平年値で、かえで・いちょうの地域差と、観測日の意味、直近10年のずれ、見頃の日取りの決め方を整理します。
この記事のポイント
- かえでの紅葉の平年日は釧路10月16日から鹿児島12月15日まで60日の幅
- 紅葉日は「大部分が色づいた日」。色づき始めの日ではない
- 「紅葉・桜の便りを整える」で地点の平年日と最早・最晩を見られる
- Q.
- 東京のかえでの紅葉の見頃はいつ?
- A.
- 気象庁の観測にもとづく東京のかえでの紅葉日の平年値は11月28日です。いちょうの黄葉日の平年値は11月23日で、いちょうのほうが5日早くなっています。平年値は1991〜2020年の観測から出した値で、今年の予想ではありません。
紅葉の見頃は、同じ日本でも北海道の釧路と鹿児島とでは2か月ほど違います。旅行や撮影の日取りを決めるとき、まず知りたいのは「その土地では、だいたいいつ頃に色づくのか」です。
結論を先に書きます。
気象庁の平年値がある51地点のかえでの紅葉日の平年値は、いちばん早い釧路の10月16日から、いちばん遅い鹿児島の12月15日まで、60日の幅があります。 平年値は1991〜2020年の30年間の観測をもとにした値で、今年の予想ではなく、過去の観測の目安です(2026年10月時点)。
「紅葉日」は何を観測した日か
気象庁の生物季節観測でいう紅葉日(いちょうは黄葉日)は、観測の対象にしている木の葉の色が大部分、紅(黄)色系統に変わり、緑色系統の色がほとんど認められなくなった日です(気象庁の観測の定義)。
つまり、葉が色づき始めた日ではなく、木の全体がほぼ色づいた日です。「色づき始め」「見頃」「散り始め」という旅行情報の言い方とは少しずれがあります。紅葉日は見頃の入り口から中ほどに当たる日付と考えると使いやすくなります。
観測の対象は、気象台や測候所の構内などにある決まった木です。山や名所の紅葉の進み方は標高や日当たりで変わるため、同じ市内でも名所の色づきは観測日と一致するとは限りません。
かえでの紅葉日は北から南へ60日の幅
気象庁のデータで、かえでの紅葉日の平年値がある51地点を月別に数えると、10月が4地点、11月が30地点、12月が17地点です。全体の6割ほどが11月に入っています。
主な地点を早い順に並べます。
| 地点 | 紅葉日の平年値 | 観測年数 |
|---|---|---|
| 釧路 | 10月16日 | 66年 |
| 札幌 | 10月28日 | 64年 |
| 仙台 | 11月21日 | 65年 |
| 東京 | 11月28日 | 48年 |
| 名古屋 | 11月28日 | 71年 |
| 大阪 | 12月1日 | 39年 |
| 福岡 | 12月1日 | 66年 |
| 京都 | 12月5日 | 56年 |
| 鹿児島 | 12月15日 | 53年 |
(気象庁「生物季節観測」累年値、平年値は1991〜2020年)
東京と札幌は31日、東京と京都は7日、東京と鹿児島は17日の差です。北海道は10月に紅葉が進み、本州の太平洋側の都市は11月下旬から12月上旬に入ります。釧路から鹿児島までは、10月16日から12月15日で60日です。
なお、北海道の6地点(旭川・札幌・帯広・釧路・室蘭・函館)のかえでは、正規の種目ではなく代替種目の観測で平年値が出ています。気象庁は、観測する種目を代わりの樹種に替えている地点を代替種目として区別して記録しています。本州の地点と並べるときは、この違いも頭に置いてください。
いちょうの黄葉日はかえでと順番が逆になる地点も
いちょうの黄葉日の平年値は、48地点にあります。月別では、10月が3地点、11月が41地点、12月が4地点です。かえでより11月に集中しています。
かえでとの差は、地点によってまちまちです。かえでといちょうの両方の平年値がある48地点で比べると、かえでがいちょうより遅い地点が38か所、かえでのほうが早い地点が9か所、同じ日の地点が1か所でした。
| 地点 | かえで | いちょう | かえでが遅い日数 |
|---|---|---|---|
| 東京 | 11月28日 | 11月23日 | 5日 |
| 京都 | 12月5日 | 11月24日 | 11日 |
| 鹿児島 | 12月15日 | 11月25日 | 20日 |
| 札幌 | 10月28日 | 11月4日 | マイナス7日(かえでが早い) |
関東から西では、いちょうのほうが先に黄葉することが多く、その差は西へ行くほど開きます。反対に札幌では、かえでが先に紅葉します。「いちょうが黄色くなったから、もみじももうすぐ」という見方は、東京周辺ではおおむね通りますが、西日本では当てになりません。
平年値と、その年の紅葉日はこれだけずれる
平年値は30年の平均的な日付です。実際の紅葉日は年によって動きます。東京のかえでの紅葉日を直近10年(2016〜2025年)で見ると、いちばん早い年が2025年の11月23日、いちばん遅い年が2024年の12月3日で、10日の幅があります。平年値の11月28日に対して、5日早い年も、5日遅い年もありました。
京都は、2016〜2025年の観測値がある9年で、いちばん早い年が2017年の12月1日、いちばん遅い年が2024年の12月20日で、19日の幅です。2021年の記録はありません。
秋の気温の下がり方が紅葉の進みに影響することは知られています。ただ、このデータから「温暖化で何日遅くなった」と断定することはできません。各地点の観測年数や樹木が違うためです。この記事では、観測された日付の幅だけを示します。
見頃の日取りを決めるときの使い方
観測の平年値は、旅行の日取りを決める目安として使えます。
- 行き先に近い観測地点の紅葉日の平年値を調べる
- 名所が観測地点より標高が高ければ、色づきは平年値より早まると見込む(何日早いかは場所ごとに違い、このデータからは言えません)
- 直近の観測日や最新の色づき情報(各地の観光協会・気象会社の予想)で、日程を最終調整する
標高の高い名所を訪ねる場合は、現地の紅葉情報を直接確かめてください。
数字を読むときの注意
- 平年値は予想ではありません。 過去30年の観測から出した、いわば「例年」の日付です。
- 地点によって観測年数が違います。 東京は48年、大阪は39年、名古屋は71年と、同じ平年値でも土台の年数が異なります。
- 観測する木は気象台の構内などの特定の木です。 山の紅葉や名所の紅葉とは進み方が違うことがあります。
- 沖縄・奄美・先島の地点には、かえで・いちょうの平年値がありません。 南の島ではかえで・いちょうの平年値が出ていません。稚内と網走も、かえでの平年値は掲載されていません。
地点ごとの平年日を確かめる
「紅葉・桜の便りを整える」では、気象庁の観測にもとづく58地点の、かえでの紅葉日・いちょうの黄葉日の平年値(1991〜2020年)と2025年の観測日を一覧で見られます。列見出しで並べ替えると、早い順・遅い順がすぐ分かります。地点ごとのページには、1953〜2025年の最早・最晩と直近10年の観測日が載っています。
観測済みの記録を並べたもので、今年の紅葉の予想ではありません。旅行の日取りは、平年日と最新の色づき情報の両方で決めると外れにくくなります。
まとめ
- かえでの紅葉日の平年値は、釧路10月16日から鹿児島12月15日まで60日の幅
- 東京は11月28日、京都は12月5日、札幌は10月28日(かえでの紅葉日、1991〜2020年の平年値)
- 紅葉日は木の葉の大部分が色づいた日で、色づき始めの日ではない
- いちょうの黄葉日は、東京で11月23日。かえでより早いのは48地点のうち38か所
- 年ごとのずれは東京で直近10年に10日の幅がある