持ち家率が一番高い県・低い県──住宅・土地統計調査で見る持ち家と空き家
令和5年住宅・土地統計調査では、持ち家率の1位は秋田県の77.1%、最も低いのは沖縄県の42.6%で、空き家率の1位は徳島県の21.3%でした。2つの順位が一致しない理由を、率の分母の違いと、上位・下位の都道府県を並べた数字の表から読み解きます。
この記事のポイント
- 持ち家率1位は秋田県77.1%、最下位は沖縄県42.6%、全国は60.9%
- 持ち家率と空き家率は分母が違い、順位は一致しない
- 「空き家率・持ち家率・家賃を整える」で県別の順位を確かめる
- Q.
- 持ち家率が一番高い都道府県はどこ?
- A.
- 令和5年住宅・土地統計調査では、秋田県が77.1%で最も高くなっています。全国の持ち家率は60.9%です。持ち家率は、居住世帯のある住宅に占める持ち家の割合で、空き家は分母に含みません。
「持ち家が多い県は空き家も多いのでは」と考える方は多いと思います。実際に数字を並べてみると、そう単純ではありません。持ち家率が全国1位の県と、空き家率が全国1位の県は別の県で、2つの順位の間にはかなりのずれがあります。
結論を先に書きます。
令和5年(2023年)住宅・土地統計調査では、持ち家率が最も高いのは秋田県の77.1%、最も低いのは沖縄県の42.6%で、全国は60.9%です。空き家率が最も高いのは徳島県の21.3%で、全国は13.8%でした。この記事の数字は、総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」(2024年9月25日公表)の結果の概要・付表「都道府県別の主な指標」によります。2026年9月時点で公表されている最新の調査結果です。
持ち家率の高い県・低い県
持ち家率は、持ち家の数を「居住世帯のある住宅」(人が実際に住んでいる住宅)の総数で割った割合です。調査の公表資料では「持ち家住宅率」と呼ばれています。全国は持ち家3,387万6千戸で60.9%、2018年と比べて0.3ポイント低下しました。
| 順位 | 持ち家率が高い県 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 秋田県 | 77.1% |
| 2位 | 山形県 | 75.0% |
| 3位 | 富山県 | 74.9% |
| 4位 | 新潟県 | 74.0% |
| 5位 | 和歌山県 | 73.8% |
| 順位(低い方から) | 持ち家率が低い都道府県 | 割合 |
|---|---|---|
| 最下位(47位) | 沖縄県 | 42.6% |
| 46位 | 東京都 | 44.7% |
| 45位 | 福岡県 | 52.7% |
| 44位 | 大阪府 | 54.5% |
| 43位 | 北海道 | 57.0% |
高い側は東北・北陸の県が並び、低い側は人口の多い都市部と沖縄県が並びます。1位の秋田県(77.1%)と最下位の沖縄県(42.6%)の差は34.5ポイントで、住まいの持ち方には県ごとに大きな開きがあります。
この差が何から来るのかは、この資料だけでは断定できません。同じ調査では、住宅の建て方の割合も公表されています。一戸建の割合は秋田県が79.4%と最も高く、東京都は26.3%、沖縄県は37.4%です。共同住宅(マンションやアパート)の割合は東京都が71.6%、沖縄県が60.9%でした。持ち家率が低い県は共同住宅の割合が高い、という並びは確かめられますが、因果関係までは資料からは言えません。
空き家率の高い県・低い県
空き家率は、空き家の数を総住宅数で割った割合です。総住宅数には人が住んでいない住宅も含まれます。ここが持ち家率との大きな違いです。
| 順位 | 空き家率が高い県 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 徳島県 | 21.3% |
| 2位 | 和歌山県 | 21.2% |
| 3位 | 鹿児島県 | 20.5% |
| 4位 | 山梨県 | 20.4% |
| 5位 | 高知県 | 20.3% |
| 順位(低い方から) | 空き家率が低い都道府県 | 割合 |
|---|---|---|
| 最下位(47位) | 埼玉県 | 9.3% |
| 46位 | 沖縄県 | 9.4% |
| 45位 | 神奈川県 | 9.8% |
| 44位 | 東京都 | 10.9% |
| 43位 | 愛知県 | 11.8% |
全国の空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%で、どちらも過去最高です。2018年は848万9千戸・13.6%でした。
空き家の中身は一様ではありません。「賃貸・売却用及び二次的住宅(別荘など)を除く空き家」、つまり使い道が決まっていない空き家は全国で385万6千戸、空き家全体の約43%(4割強)を占めます。この数を総住宅数で割った率は全国で5.9%です。この率が最も高いのは鹿児島県の13.6%、最も低いのは東京都の2.6%でした。空き家率が全国で1番高い徳島県は、この率でも12.2%と上位に入ります。
2つの順位を並べると
持ち家率と空き家率の順位を並べると、次のようになります。
| 都道府県 | 持ち家率(順位) | 空き家率(順位) |
|---|---|---|
| 秋田県 | 77.1%(1位) | 15.8%(22位) |
| 徳島県 | 68.1%(22位) | 21.3%(1位) |
| 和歌山県 | 73.8%(5位) | 21.2%(2位) |
| 東京都 | 44.7%(46位) | 10.9%(44位) |
| 沖縄県 | 42.6%(47位) | 9.4%(46位) |
持ち家率1位の秋田県は、空き家率では22位で、ちょうど真ん中あたりです。空き家率1位の徳島県は、持ち家率では22位でした。2つの率は、持ち家が多ければ空き家も多い、という単純な関係にはなっていません。
一方、和歌山県のように、どちらも上位に入る県もあります。東京都と沖縄県は、持ち家率も空き家率も低い側に並びます。
分母が違う率を読むときの注意
2つの率が一致しない理由の一つは、分母が違うことです。
- 持ち家率:持ち家数 ÷ 居住世帯のある住宅(空き家を含まない)
- 空き家率:空き家数 ÷ 総住宅数(空き家を含む)
たとえば空き家が増えると、空き家率は上がりますが、持ち家率の分母は変わりません。持ち家率は「住んでいる人のうち持ち家の人の割合」であり、空き家の多さとは別の物差しです。
もう一つの注意は、率と件数を混同しないことです。空き家の戸数で見ると、最も多いのは東京都の89万7千戸、次いで大阪府の70万2千戸です。空き家率は10.9%と低い東京都でも、総住宅数が820万1千戸と多いため、戸数は全国で最も多くなります。一方、空き家率が1位の徳島県の空き家は8万3千戸です。順位を見るときは、率なのか戸数なのかを必ず確認してください。
さらに、都道府県の平均は県内の差を隠します。同じ県でも、市街地と山間部では持ち家率も空き家率もまったく違います。この記事の数字は県全体の値であり、お住まいの地域の実態を表すものではありません。
県別の数字を確かめる
この記事の数字は、空き家率・持ち家率・家賃を整える で都道府県ごとに確かめられます。空き家率・持ち家率・借家の家賃平均の3つをランキングで切り替えられ、都道府県ページには全国順位と全国平均との差も載っています。自分の家賃と都道府県を入れると、県の平均との差も出せます。入力した内容は端末の外に送信されません。
まとめ
- 持ち家率は秋田県77.1%が1位、沖縄県42.6%が最下位、全国は60.9%
- 空き家率は徳島県21.3%が1位、全国は13.8%
- 持ち家率は居住世帯のある住宅、空き家率は総住宅数が分母で、順位は一致しない
- 空き家は率と戸数で順位が変わる。戸数が最も多いのは東京都の89万7千戸