2026年度の最低賃金、最高と最低の差は?──発効日が県ごとに違う問題
2026年度の地域別最低賃金は、答申額で最高の東京都が1,280円、最低の宮崎県が1,085円で、差は195円です。ただし発効日は10月1日から12月2日まで県ごとに違い、10月8日時点で新しい額なのは26県、残りの21県は前の額のままです。
この記事のポイント
- 答申額は東京1,280円・宮崎1,085円で差195円、全国加重平均1,177円
- 発効日は県ごとに違い、10月8日時点で新しい額なのは26県
- 「最低賃金(地域別)を整える」で県別の額と発効日を確かめる
- Q.
- 2026年度の最低賃金は、いつから上がりますか?
- A.
- 答申された改定額は、都道府県ごとに2026年10月1日から12月2日までの間に順次発効する予定です。10月8日時点で新しい額が適用されているのは26県で、残りの21県は発効日まで前の額のままです。自分の働く県の発効日を確かめてください。
「最低賃金が上がる」というニュースを見ても、自分の働く県でいつから新しい額になるのかは、はっきりしません。2026年度の地域別最低賃金は、全国一斉の10月1日ではなく、県ごとに発効日が違います。
結論を先に書きます。
2026年度の地域別最低賃金は、答申額で最高の東京都が1,280円、最低の宮崎県が1,085円で、差は195円です。全国加重平均は1,177円で、前年度の1,121円から56円上がります。ただし発効日は2026年10月1日から12月2日まで県ごとに違い、10月8日時点で新しい額が適用されているのは26県、残りの21県は発効日まで前の額のままです。
数字の出どころは、厚生労働省の報道発表「令和8年度地域別最低賃金答申状況」(2026年9月3日)とその別紙です。10月8日時点では答申の段階で、都道府県労働局長の決定を経て発効する予定です。別紙には、発効日は答申公示後の異議の申出の状況などにより変更となる可能性があると注記されています。
答申額の最高と最低、全国平均
まず、新しい額そのものを見ます。
| 項目 | 令和8年度(答申額) | 令和7年度(前年度) |
|---|---|---|
| 全国加重平均 | 1,177円 | 1,121円 |
| 最高額 | 1,280円(東京都) | 1,226円(東京都) |
| 最低額 | 1,085円(宮崎県) | 1,023円(高知県・宮崎県・沖縄県) |
| 最高と最低の差 | 195円 | 203円 |
| 最低額 ÷ 最高額 | 84.8% | 83.4% |
全国加重平均は56円の引き上げです。47都道府県すべてで、引き上げ額は54円から65円の間に収まりました。引き上げ額が最も大きいのは佐賀県の65円、最も小さいのは東京都・神奈川県・大阪府の54円です。
最高額と最低額の差は、前年度の203円から195円に縮まりました。最低額が最高額の何割に当たるかで見ると、83.4%から84.8%への変化です。額の高い都市部の引き上げ幅が小さく、額の低い県の引き上げ幅が大きかったためです。
月給に直すと
時給の195円は、月にするとどれくらいの差になるのでしょうか。週40時間にあたる月160時間働いた場合で比べます。
| 県 | 時給 | 月160時間の賃金 |
|---|---|---|
| 東京都 | 1,280円 | 204,800円 |
| 宮崎県 | 1,085円 | 173,600円 |
| 差 | 195円 | 31,200円 |
月160時間は、時給から月額を見積もるときの目安として使う数字です。実際の所定労働時間は会社によって違うので、自分の条件で計算し直してください。
発効日は県ごとに違う
最低賃金の改定額は、答申のあと、都道府県労働局での労使からの異議申出に関する手続を経て、労働局長の決定により発効します。そのため、発効日が県ごとに分かれます。2026年度は、10月1日から12月2日までの間に順次発効する予定です。
10月8日時点で発効済みの26県
| 発効日 | 県 | 件数 |
|---|---|---|
| 10月1日 | 北海道、宮城県、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、岐阜県、愛知県、三重県、大阪府、兵庫県、香川県 | 15 |
| 10月2日 | 長野県、岡山県 | 2 |
| 10月3日 | 群馬県、石川県、滋賀県、和歌山県、鳥取県 | 5 |
| 10月4日 | 福井県、奈良県、福岡県 | 3 |
| 10月8日 | 山口県 | 1 |
合計は15 + 2 + 5 + 3 + 1 = 26県です。10月8日の山口県は、この記事の公開日に発効する県です。
10月8日時点でまだ前の額の21県
| 発効日 | 県 | 件数 |
|---|---|---|
| 10月10日から10月30日 | 島根県(10日)、広島県(11日)、秋田県(14日)、静岡県(15日)、福島県(16日)、茨城県(18日)、宮崎県(24日)、鹿児島県(25日)、青森県・高知県(29日)、山形県(30日) | 11 |
| 11月1日から11月16日 | 山梨県・徳島県・愛媛県・大分県(1日)、長崎県(2日)、佐賀県(15日)、京都府(16日) | 7 |
| 12月1日・2日 | 岩手県・熊本県(1日)、沖縄県(2日) | 3 |
合計は11 + 7 + 3 = 21県で、発効済みの26県と合わせて47都道府県になります。
発効前の県では、前の額が適用される
発効日より前は、改定前の額が適用されます。たとえば岩手県は、答申額が1,090円ですが、発効日の12月1日までは前の額の1,031円です。沖縄県は答申額が1,086円で、12月2日までは1,023円です。
このため、10月8日時点で実際に適用されている額で見ると、最高は東京都の1,280円、最低は高知県・宮崎県・沖縄県の1,023円で、差は257円です。答申額どうしの差195円より大きく開いた状態が、各県の発効日が来るたびに少しずつ縮まっていきます。
| 県 | 前の額 | 答申額 | 発効日 | 上がる額 |
|---|---|---|---|---|
| 宮崎県 | 1,023円 | 1,085円 | 10月24日 | 62円 |
| 京都府 | 1,122円 | 1,180円 | 11月16日 | 58円 |
| 佐賀県 | 1,030円 | 1,095円 | 11月15日 | 65円 |
| 熊本県 | 1,034円 | 1,092円 | 12月1日 | 58円 |
| 沖縄県 | 1,023円 | 1,086円 | 12月2日 | 63円 |
確かめるときの注意
最低賃金は、働く場所のある都道府県の額が基準になります。本社が東京にあっても、支店のある県で働くなら、その県の額です。
求人票を見るときや、時給の見直しを会社に相談するときは、次の3つを順に確かめます。
- 働く場所のある都道府県を確かめる
- その県の答申額と発効日を表で見る
- 時給が発効日以降の額を下回らないか確かめる
発効日が近い県では、今の時給が新しい額を下回る場合、発効日までに会社が賃金を見直す必要があります。手当の扱いなど個別の判断が必要なときは、労働基準監督署や都道府県労働局に相談できます。
最低賃金(地域別)を整えるでは、47都道府県の時給、前年比、発効日、全国順位を一覧できます。1日の時間と月の日数を入れると、月額と年額の目安も出ます。今の時給と月の収入を同じものさしで比べたいときは、時給⇄月給⇄年収を整えるが使えます。時給、月給、年収のどれか1つを入れると、残りを換算します。
まとめ
- 2026年度の答申額は、最高が東京都の1,280円、最低が宮崎県の1,085円で、差は195円
- 全国加重平均は1,177円で、前年度の1,121円から56円の引き上げ
- 発効日は10月1日から12月2日まで県ごとに違い、10月8日時点で発効済みは26県、未発効は21県
- 未発効の県は、発効日まで前の額のまま。10月8日時点で適用されている額の差は257円
- 発効日は異議申出の状況などで変わる可能性があるので、自分の県の最新の発効日を確かめる