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ネットワークを整える

専門

OSPFを整える。

= ルーターが道を教え合う仕組み

ネットワークのどこの話? 会社や学校の中(LAN)で、ルーター同士が道を自動で教え合う話です。手で道を書く方法や、道を選ぶ基本は ルーティングを整える で確かめられます。インターネットの外側の話は BGPを整える です。

アニメで見る — 2台が「隣接」になるまで(Down → Full) 開くと1ステップずつ動きます
🔀

R1

ルーターID 1.1.1.1

1. Down
3. 2-Way
5. Exchange
7. Full
🔀

R2

ルーターID 2.2.2.2

2. Init
4. ExStart
6. Loading

STEP 1

※ イメージ図です。実際の通信は行いません。下の⑤で、条件が合わないとどこで止まるかを試せます。

① ルーターIDの決まり方

OSPFのルーターは、自分を表す名札(ルーターID・IPアドレスの形)を持ちます。決まる順番は、手動設定、ループバックの最大のIP、物理インターフェースの最大のIPです。

IPアドレスを入れる(カンマ区切り) 変更すると即座に判定(送信ゼロ)

ルーターID

—

「最大」は数字として比べます(10.0.0.10 は 10.0.0.9 より大きい)。ルーターIDは、あとからIPを変えても、OSPFを再起動するまで変わりません。実務では、ループバックか手動で固定するのが定番です。

② DR / BDR の選出

同じセグメント(イーサネットのように複数台がつながる網)では、全員が全員と話すと数が増えすぎます。そこで代表(DR)と予備(BDR)を選び、他のルーターはこの2台とだけ詳しくやりとりします。

4台の優先度とルーターID 変更すると即座に再計算(送信ゼロ)
ルーター優先度(0〜255)ルーターIDあとから参加停止役割
R1 —
R2 —
R3 —
R4 —

決め方は、優先度が高い順、同点ならルーターIDが大きい順です。優先度 0 は立候補しません(DR にも BDR にもならない)。選ばれたあとは、あとから強いルーターが来ても入れ替わりません。DR が止まると BDR が DR になり、新しい BDR が選ばれます。「停止」を外しても DR は戻りません。Cisco の既定の優先度は 1 です。

③ コストと参照帯域

コストは「参照帯域 ÷ 回線の帯域」です。小数は切り捨て、最小は 1 です。Cisco IOS の参照帯域の既定は 100 Mbps です。

参照帯域を選ぶ 変更すると即座に再計算(送信ゼロ)
回線コストひとこと
10 Mbps—
100 Mbps(Fast Ethernet)—
1 Gbps—
10 Gbps—

既定のままだと、1 Gbps も 10 Gbps も 100 Mbps と同じコスト 1 になり、速い回線が選ばれません。直すコマンドは auto-cost reference-bandwidth 10000(ルーターごとの設定で、網の全ルーターで揃える必要があります)。インターフェースごとに ip ospf cost で直接指定もできます。

④ 最短経路を出す

5台の網で、R1からR5への道を、コストの合計がいちばん小さいものに決めます。リンクのコストを変えると、道が変わります。

各リンクのコスト(1〜65535) 変更すると即座に再計算(送信ゼロ)
10 10 10 1 1 R1R2R3R4R5

採用される経路

—

⑤ ネイバー(隣接)になれる条件

となり合う2台が OSPF の仲間になるには、いくつかの条件が合う必要があります。値を変えて、どこで止まるかを確かめます。

となり合うインターフェース2つの設定 変更すると即座に判定(送信ゼロ)
項目R1 側R2 側
IPアドレス
プレフィックス長
エリアID
Hello 間隔(秒)
Dead 間隔(秒)
認証(なし/MD5 など)
MTU

    たどり着く状態

    —

    Hello と Dead の既定は、イーサネットなどで 10 秒と 40 秒です(Dead は Hello の4倍)。同じセグメントで DROther どうしは 2-Way で止まるのが正常で、Full になるのは DR/BDR との間です。

    CCNA ではここが問われる

    単一エリアの OSPFv2 を設定し、確認できること

    • 範囲は IP Connectivity の「単一エリアの OSPFv2」(200-301 v1.1)です。隣接の形成、DR/BDR の選出、ルーターID、等コスト経路の負荷分散が問われます。
    • 管理距離(AD)は 110 です。同じ宛先を OSPF とスタティックが知っていれば、AD の小さいスタティックが選ばれます(ルーティングを整える)。
    • 主な確認コマンド:show ip ospf neighbor、show ip ospf interface brief、show ip route ospf。
    • 設定の例(IOS):router ospf 1 → router-id 1.1.1.1 → network 10.0.0.0 0.0.0.255 area 0。
    • 優先度は ip ospf priority で変えます。等コスト経路は既定で最大4本まで使われます。
    • 隣接になれない原因は、エリアID・Hello/Dead・サブネット・認証・MTU の不一致が定番です。

    同じ網の中で冗長な出入口が必要なら HSRP、他の事業者の網とつなぐなら BGP を見てください。

    たとえると

    街の道路を、全員が同じ地図で共有している状態です。道が増えたり通行止めになったりしたら、近所の人が「地図が変わったよ」と周りへ伝え、全員の地図が書き換わります。各自は同じ地図から「自分の家からいちばん近い道」を自分で計算します。

    これが OSPF(Open Shortest Path First)です。「近さ」は距離ではなくコスト(回線の遅さを表す数字)の合計で決まります。

    このツールは、ネットワーク全体図のここ

    1. 自分の端末
    2. 家・会社の中
    3. 出入口
    4. 建物の外
    5. 相手のサーバー
    6. データセンター
    7. 見る・動かす

    建物の外の道(WAN・インターネット)— 会社の中のルーター同士が、道の地図を自動で交換しあう話です。

    建物の外の道は、全国の道路と運送会社の中継所のような場所です。OSI では第3層(ネットワーク)。

    「ブラウザで URL を打ってからページが出るまで」の 7 番目(ルーティングで運ぶ)で活躍します。

    前の段: NAT 次の段: HTTPS

    このページに出てくる略語(10語)
    • OSPF (Open Shortest Path First) — ルーター同士が道の地図を交換して、最短の道を選ぶ社内向けの決まりごと
    • DR (Designated Router) — OSPF で、同じ LAN の代表として道の情報を取りまとめるルーター
    • BDR (Backup Designated Router) — OSPF で、DR が止まったときに代わる控えのルーター
    • LSA (Link-State Advertisement) — OSPF で、自分の周りの道の状態を知らせるメッセージ
    • LSDB (Link-State Database) — OSPF で、集めた LSA を溜めておく道の地図の元データ
    • SPF (Shortest Path First) — OSPF が道の地図から最短の道を計算する方法(アルゴリズム)
    • ABR (Area Border Router) — OSPF で、エリアとエリアの境目に立つルーター
    • ASBR (Autonomous System Boundary Router) — OSPF の外の道の情報を取り込む、境目のルーター
    • AD (Administrative Distance) — 同じ宛先の道を複数の方法で教わったとき、どれを信じるかの優先度
    • IGP (Interior Gateway Protocol) — 1つの組織の中で使うルーティングの決まりごと(OSPF など)の総称

    ネットワークの略語をすべて見る

    ネットワークの全体図を見る

    このツールについて

    OSPFは、ルーター同士が自動で道を教え合うしくみです。ルーターIDの決まり方から、隣り合うルーターが仲間になる条件、最短の道が選ばれる様子までを、値を入れて確かめられます(送信ゼロ)。

    OSPFは、ルーター同士が地図を共有してコストの合計が最小の道を自分で計算する仕組みです。基本の道選びは ルーティングを整える、外の網とつなぐ話は BGPを整える へ。

    主な機能

    • ルーターIDの決まり方を値を入れて判定
    • DR/BDR選出と停止時の引き継ぎ
    • 参照帯域とコスト(1Gbpsも1になる問題)
    • 5台の網で最短経路・等コスト負荷分散
    • 隣接条件の照合とDown→Fullの状態遷移

    よくある質問

    Q. OSPFとは何ですか?

    A. ルーター同士が自分の持つ回線の情報を交換して、同じ地図を共有し、各自が最短の道を計算するルーティングの方式です。道の変化を自動で学び直します。

    Q. コストは何で決まりますか?

    A. Cisco IOSでは参照帯域(既定100Mbps)÷回線の帯域で、小数は切り捨て、最小は1です。ip ospf cost で直接指定もできます。

    Q. 1Gbpsと100Mbpsが同じコストになるのはなぜ?

    A. 既定の参照帯域が100Mbpsで、それより速い回線はすべて1に丸まるためです。auto-cost reference-bandwidth を網の全ルーターで揃えて直します。

    Q. DRとBDRはどう選ばれますか?

    A. 同じセグメントで、優先度(既定1)が高い順、同点ならルーターIDが大きい順です。優先度0は選ばれません。選出後は、強いルーターが後から来ても入れ替わりません。

    Q. ネイバーになれない原因は?

    A. エリアID、Hello/Dead間隔、サブネット、認証の不一致が定番です。MTUが違うとExStartで止まります。

    入力値はURLの「#」以降に入るためサーバーには送信されません。リンクを開くと同じ状態を復元します。

    続けて整える

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