ネットワークを整える
初級ping・tracerouteを整える。
= 相手まで届くか・どこを通るかを調べる
ネットワークのどこの話? 自宅や会社から、インターネットの向こうのサーバーまでの道すじ全体の話です。IP の層で動く、点検用の道具です。
① traceroute を走らせてみる
TTL を 1 から順に増やして送り、返ってくる連絡を集めて経路の地図を作ります。
「▶ traceroute を実行」を押すと、TTL=1 から順に送ります。4 番目のルーターは返事をしない設定です。
- 1:自宅のルーター(192.168.1.1)
- 2:プロバイダの局舎(203.0.113.1)
- 3:プロバイダの基幹(203.0.113.9)
- 4:返事をしないルーター(198.51.100.1)
- 5:他社との接続点(198.51.100.17)
- 6:データセンター入口(192.0.2.1)
- 7:サーバー(192.0.2.80)
Windows と Linux の違い。Windows の tracert は ICMP の Echo Request を送り、宛先からは Echo Reply(Type 0)が返ります。Linux・macOS の traceroute は既定で UDP(使われていない大きなポート番号宛)を送り、宛先から Port Unreachable(Type 3 Code 3)が返るのが「着いた」の印です(traceroute -I で ICMP にできます)。Cisco IOS の traceroute も UDP を使います。途中のルーターが返すのはどちらも Time Exceeded(Type 11)です。
② 出力の読み方を答えてみる
出力例を選んで、問いに答えます。
まとめ。* * * は「そのルーターが返事をしないだけ」のことが多い。途中の 1 か所だけ遅いのは問題でないことが多い。最後まで遅い、または途中から最後まで届かないのが本当の問題です。
③ ping の出力を読む
返事の TTL(残りの寿命)から、相手の OS の見当と、通ったルーターの数を見積もれます。
Reply from 203.0.113.50: bytes=32 time=12ms TTL=117 TTL の初期値は、Linux・macOS が 64、Windows が 128、ネットワーク機器が 255 が多いです。ただし設定で変えられるので、あくまで見当です。time は往復の時間(RTT)で、同じ相手に何度も測って揺れの大きさ(ジッター)も見ます。損失(loss)が 0% でなければ、途中のどこかで落ちています。
| ICMP Type | 名前 | 意味 |
|---|---|---|
| 0 | Echo Reply(応答) | ping の返事 |
| 3 | Destination Unreachable(宛先に届かない) | Code 0 ネットワーク不達・1 ホスト不達・3 ポート不達・4 分割が必要だが DF あり |
| 8 | Echo Request(要求) | ping の問いかけ |
| 11 | Time Exceeded(時間切れ) | TTL が 0 になって捨てた。traceroute の仕組みはこれ |
📘 CCNA ではここが問われる
- ping・traceroute(Cisco IOS/IOS XE では
ping・traceroute。ping の応答記号は!成功、.タイムアウト、U到達不能) - ICMP の用途と Type(Echo、Destination Unreachable、Time Exceeded)
- IP ヘッダの TTL と、ルーターが 1 ずつ減らすこと
大きさを変えた ping で経路の MTU を探す方法は MTU・MSS を参照。名前が引けるかは DNS、使うポートは ポート番号 で確かめられます。
たとえると
ping は、相手の家のチャイムを鳴らして「いますか?」と聞くことです。返事があれば届いていて、返事までの時間も分かります。traceroute は、道中の中継所(ルーター)に「ここを通ったという印をください」と頼みながら進むことです。荷物には「あと何回で捨てる」という寿命(TTL)が書いてあり、1 回中継するたびに 1 減ります。寿命が 0 になった中継所は「ここで寿命が尽きました」と送り主へ連絡します。寿命を 1、2、3 と増やして送れば、中継所が順に名乗り出てくれます。
このツールは、ネットワーク全体図のここ
- 自分の端末
- 家・会社の中
- 出入口
- 建物の外
- 相手のサーバー
- データセンター
- 見る・動かす
建物の外の道(WAN・インターネット)— 相手までに通った中継点を、ひとつずつ確かめる話です。
建物の外の道は、全国の道路と運送会社の中継所のような場所です。OSI では第3層(ネットワーク)。
このツールについて
よくある質問
Q. traceroute の「* * *」は故障ですか?
A. 多くは、そのルーターが Time Exceeded を返さない設定になっているだけです。その先のホップが表示され、最後まで着いていれば通信は通っています。
Q. 途中のホップだけ遅いのは問題ですか?
A. 先のホップが速ければ問題でないことが多いです。ルーターは自分宛ての返事を後回しにするためです。最後まで遅いときが本当の問題です。
Q. tracert と traceroute は何が違いますか?
A. Windows の tracert は ICMP Echo を送り、Linux・macOS の traceroute は既定で UDP を送ります。途中のルーターが返すのはどちらも ICMP Time Exceeded(Type 11)です。
Q. ping の TTL で何が分かりますか?
A. 初期値は Linux・macOS が 64、Windows が 128、ネットワーク機器が 255 が多く、残りの値との差で通ったルーターの数が見積もれます。設定で変わるため見当です。
Q. CCNA で問われる ICMP の Type は?
A. Type 0 Echo Reply、Type 3 Destination Unreachable、Type 8 Echo Request、Type 11 Time Exceeded が基本です。Cisco IOS の ping では ! が成功、. がタイムアウト、U が到達不能を表します。
入力値はURLの「#」以降に入るためサーバーには送信されません。リンクを開くと同じ状態を復元します。
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この内容は、研修でも扱っています
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