ネットワークを整える
中級CDP・LLDPを整える。
= 隣の機器を見つける名刺交換
ネットワークのどこの話? 家や会社の中(LAN)で、機器とそのすぐ隣の機器との間だけの話です。ルーターを越えて遠くへ届く情報ではありません。
① どこで打つと、何が見える?
「どの機器で打つか」と「CDP か LLDP か」を切り替えます。図の濃い青が打つ機器、青く縁取られたのが表に出る隣です。下のチェックで、機器ごとに CDP・LLDP を止めたり有効にしたりできます。
機器ごとの設定(チェックが付いていると、その機器でそのプロトコルが動いている)
ルーター R1
スイッチ SW1
スイッチ SW2
IP電話
PC は CDP も LLDP も話さないので、直接つながっていても表に出ません。電話の先の PC1 も同じです。Holdtme などの数字は例です(実際は広告のたびに保持時間から減っていきます)。
② CDP と LLDP の違い
やっていることはほぼ同じです。違いは、誰が決めたか・既定で動くか・間隔です。
| 項目 | CDP | LLDP |
|---|---|---|
| 決めたところ | Cisco 独自 | IEEE 802.1AB(標準。他社の機器とも話せる) |
| Cisco 機器の既定 | 有効(多くの機種) | 無効の機種が多い(lldp run で有効にする) |
| 送る間隔(広告タイマー) | 60 秒ごと | 30 秒ごと |
| 情報を持っておく時間(保持時間) | 180 秒 | 120 秒 |
| 宛先のマルチキャスト MAC | 01:00:0c:cc:cc:cc | 01:80:c2:00:00:0e |
| 動く層 | レイヤー2(IP が無くても届く) | レイヤー2(IP が無くても届く) |
| すべて止める | no cdp run | no lldp run(そもそも有効にしなければ動かない) |
| ポート単位で止める | インターフェースで no cdp enable | インターフェースで no lldp transmit / no lldp receive |
| 隣を見る | show cdp neighbors(detail で IP・版まで) | show lldp neighbors(detail で詳細) |
Cisco IOS/IOS XE の場合の値です。機種や版で既定が異なることがあります。他社の機器とつなぐときは、標準の LLDP を使います。
外向きのポートでは止める理由
- CDP と LLDP は認証がなく、中身は暗号化されていません。同じ線につながった人なら誰でも、機種・ソフトウェアの版・IP アドレスなどを読み取れます(①の detail を付けると見えます)。
- 機器の機種と版が分かると、その版に合った攻撃を選びやすくなります。CDP の処理そのものの欠陥が見つかった例もあります。
- だから、利用者のパソコンがつながるポート・外部(ほかの会社やインターネット側)へ向かうポートでは止めます。機器どうしをつなぐ内側の線では、構成の確認に役立つので動かしておく運用が多くあります。
- 注意: IP電話がつながるポートでは、スイッチが電話に音声用 VLAN を教えるために CDP(または LLDP-MED)を使います。電話のポートで止めると、電話が音声 VLAN に入れなくなることがあります。
! CDP を機器全体で止める Switch(config)# no cdp run ! ポート単位で CDP を止める Switch(config)# interface g0/10 Switch(config-if)# no cdp enable ! LLDP を有効にする(既定は無効の機種が多い) Switch(config)# lldp run ! ポート単位で LLDP を止める Switch(config-if)# no lldp transmit Switch(config-if)# no lldp receive
CCNA ではここが問われる
- CCNA 200-301 v1.1 の「ネットワークアクセス」に、CDP と LLDP の設定と確認が入っています。
- CDP は Cisco 独自で既定で有効、60 秒ごと・保持 180 秒。LLDP は IEEE 802.1AB の標準で、Cisco の機器では既定で無効、30 秒ごと・保持 120 秒。
- 見えるのは直接つながった隣だけ。2 台先の機器は、隣の show の結果から辿る。
show cdp neighborsの Local Intrfce(自分のポート)と Port ID(相手のポート)を読み違えない。detailで相手の IP アドレスまで分かる。- コマンドの打ち方は Cisco IOSコマンドを整える の疑似ターミナルで練習できます。
関連: スイッチのつなぎ方は VLANを整える、ループを防ぐ仕組みは スパニングツリーを整える、ポートの守りは ポートセキュリティを整える、全体の地図は ネットワークの地図。
たとえると、隣の席との名刺交換
会議で、隣に座った人とだけ名刺を交換する場面を考えてください。受け取れるのはとなりの人の名刺だけで、その向こうの人の名刺は、本人が直接渡さない限り手に入りません。
CDP と LLDP は、機器どうしがやる名刺交換です。名刺に書いてあるのは、機器の名前・機種・どのポートでつながっているか。これを数十秒ごとに、線でつながった隣へ自動で配ります。
配線図が古くなっても、機器に聞けば「いま誰とつながっているか」が分かります。
このツールは、ネットワーク全体図のここ
- 自分の端末
- 家・会社の中
- 出入口
- 建物の外
- 相手のサーバー
- データセンター
- 見る・動かす
家・会社の中(LAN)— 隣にどんな機器がつながっているかを、機器どうしが名乗りあって知る話です。
家・会社の中は、同じ建物の中の廊下と部屋割りのような場所です。OSI では第2層(データリンク)。
このツールについて
ネットワーク機器どうしが、線でつながった隣に「私は誰で、どのポートでつながっているか」を知らせ合うしくみです。ある機器から何が見えるかを、図で切り替えて確かめます。
CDP と LLDP は、機器が直接つながった隣に自己紹介するしくみです。2つ先は見えません。外向きのポートでは止めます。コマンドは Cisco IOSコマンドを整える で練習できます。
主な機能
- 構成図で、打つ機器と CDP/LLDP を切り替えて見え方を確かめる
- 直接つながった隣だけが表に出て、2つ先は見えないことが分かる
- 機器ごとに CDP・LLDP を止めて、表の変化を見られる
- CDP と LLDP の既定値・間隔・保持時間の比較表
- 外向きのポートで止める理由と、止めるコマンド
よくある質問
Q. CDP と LLDP は何をするものですか?
A. 線でつながった隣の機器に、自分の名前・機種・つながっているポートを定期的に知らせ、隣から同じ情報を受け取るしくみです。配線図が古くても、機器に聞けば実際のつながりが分かります。
Q. なぜ 2 つ先の機器は見えないのですか?
A. CDP と LLDP の広告は、直接つながった隣までしか届かないためです。受け取った機器はそれを先へ転送しません。2 つ先は、隣の機器に入って show する形で辿ります。
Q. CDP と LLDP は何が違いますか?
A. CDP は Cisco 独自で、Cisco の機器では既定で有効、60 秒ごとに送り保持時間は 180 秒です。LLDP は IEEE 802.1AB の標準で、Cisco の機器では既定で無効の機種が多く、30 秒ごと・保持 120 秒です。他社の機器とは LLDP を使います。
Q. セキュリティ上、止めたほうがよいのはどこですか?
A. 利用者のパソコンがつながるポートや、外部へ向かうポートです。認証も暗号化もなく、機種・版・IP アドレスが読み取れるためです。IP電話のポートは、音声 VLAN の通知に使うので止める前に確認します。
Q. CDP を止めるコマンドは何ですか?
A. 機器全体は no cdp run、ポート単位は、インターフェース設定モードで no cdp enable です。LLDP は lldp run で有効にし、ポート単位では no lldp transmit と no lldp receive で止めます。
入力値はURLの「#」以降に入るためサーバーには送信されません。リンクを開くと同じ状態を復元します。
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